第十五話 十年前の記憶
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に来てからずっと様子がおかしいわ』
「…プレリー!ライブメタルの反応はどこ!?早く教えて!」
『エール!!』
焦っている様子のエールにジルウェの良く通る声が通信機越しに響いて二人をハッとさせた。
『落ち着けエール、ヴァン…気持ちは分かるが、焦っては駄目だ。』
「「………」」
『あの、どういうことなんですか?』
ジルウェの言葉に沈黙する二人。
プレリーは気になっていた疑問をジルウェに尋ねようとした。
『ここは…』
「いいよ先輩。自分で話す…俺とエールは十年前にここに来たことがある。母さん達に連れられて遊びに来てたんだ」
「その時、アタシ達はここでイレギュラーに襲われた…その時…母さんとおばさんとはぐれたアタシ達を助けてくれたのがジルウェなんだ」
二人の過去を改めて知って息を飲むプレリー。
『…それじゃあ…十年前のイレギュラー襲撃って…まさかここで…!』
「ここにいるとあの時の自分を思い出してしまうんだ…。もしかしたら…また俺は何も出来ずに終わってしまうんじゃないかって…でも」
「それ以上にここはアタシ達にとって大事な思い出のある場所なんだよ…だから…誰にも荒らされたくない…そっとしておきたいんだ」
『…そうだったの…ごめんなさい、私…』
何も知らなかったとは言え、二人を辛い場所に行かせたことにプレリーは罪悪感を抱く。
「プレリーは悪くない、俺達も何も言わなかったんだからな」
「アタシ達も母さん達のことを思い出して熱くなってた…ごめんプレリー」
二人がプレリーに何も言わなかったこともあり、知らなかったのは無理もないだろう。
寧ろ熱くなっていたことをエールが謝罪した。
『二人共…今更かもしれないけど、あなた達だけで全部背負おうとしないで、私やジルウェさん、そしてガーディアンのみんながきっと見守ってくれてる。私達みんなでこの国のみんなを守るのよ』
『そうだ、お前達だけで戦っているんじゃない。一緒に戦えなくても、俺はお前達と一緒だ。忘れるなよ』
「「…ありがとう…プレリー、先輩(ジルウェ)。ミッションを再開する!」」
プレリーとジルウェの言葉に二人の表情に余裕が戻り、ダッシュで駆け抜けた時には既に普段の二人であった。
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