第三章
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「質いいわよね」
「動きやすくて着心地もよくて」
「一人一人のサイズに合わせてくれてるし」
「素敵よね」
「いい服だわ」
「お給料もいいし」
こちらの待遇の話もした。
「福利厚生だってね」
「色々いいわよね」
「もう完全なホワイトよね」
「勤務時間も考えてくれてるし」
「こんなにいい職場もないけれど」
「旦那様も奥様も大丈夫かしら」
「ヘムゼルセン家ってあまりお金ないのよね」
このことは彼女達も知っていた。
「実は」
「そうそう、結構貧乏よね」
「貧乏貴族って言うとそのままで」
「もう何でも節約されていて」
「服もお食事もかなり質素だし」
「もう何から何まで再利用でね」
地裁来るを徹底しているというのだ。
「飲まれているワインだってこの星系産の安いものばかりで」
「徹底的に質素で」
「それなのにね」
「私達へのこの待遇のよさ」
「シェフの人達もお給料いいらしいし」
「パティシェさんにしても」
今自分達が食べているティーセットのお菓子達を作った者にしてもというのだ。
「それじゃあね」
「お金大丈夫かしら」
「本当に苦しいらしいのに」
「私達に気前よくして」
「私達としては嬉しいけれど」
メイド達はこうした話をした、それも結構こうした話をしていてそれは屋敷で働いている者達全員がそうで。
子爵はチップも何かを買った際も代金とは別にお礼等も忘れていなかった、当然こうしたことは家の負担だったが。
それでも彼は続けていた、それを妻にも話した。
「こうしたことはな」
「絶対にですね」
「しっかりする」
「金払いはよく、ですね」
「そうだ、当家は子爵でありだ」
この爵位を持っていてというのだ。
「格式がある」
「だからですね」
「格式に相応しい行いがあり」
「それはお給料の支払いもですね」
「当家の予算は全て決められている」
星系の政府にだ、エウロパでは領主の予算は全てその治める正確に言えば首長を務める星系政府の議会が定めているのだ。言うならば各国の君主の王宮予算を定めていることと同じだ。
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