第8章:拓かれる可能性
第242話「全滅」
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魔力弾は全て逸らされ、バインドも見破られて破壊されていた。
その上で、四人の攻撃を全て捌いていたのだ。
「……作戦変更。前衛は奏だけで、私達霊術組全員が中衛。なのはとフェイトは変わらずにお願い」
「っ、それだと奏の負担が……!」
「構わないわ」
アリシアの言葉にアリサが反発しようとする。
だが、奏はあっさりと肯定し、そのまま優輝に再び斬りかかった。
「考える時間は出来る限り減らして!……近接戦で戦えないのなら、それ以外でカウンターを潰すしかないよ!」
瞬間的な速さならば、奏はトップクラスだ。
フェイトも十分に速いが、やはり攻撃後の隙があるため、カウンターの餌食となる。
そこも考慮すると、どうしても奏しか前衛が出来ない。
「ッ、ッッ……!」
その奏すらも、ほんの数回しか打ち合えない。
近接攻撃を躱す事に専念すれば、回避は厳しくない。
だが、専念している以上後衛や他への攻撃は阻止出来ないため、奏はどうしても攻撃による妨害を行う必要がある。
そのカウンターを躱すのは、奏の速さでギリギリだ。
「(遠距離のカウンターはこっちの物量で何とかなる。いざとなればアリサとすずかが弾いてくれるから、そこの心配は必要ない。……でも、結局それだとジリ貧だ。奏がやられれば、それだけで瓦解する。何とか、カウンター後を突いて隙を作らないと……)」
矢と霊術で連続攻撃を作り出しながら、アリシアは分析する。
奏が持ち堪えている間に活路を見出さなければならない。
……しかし、カウンターを阻止しようとしても、その攻撃すら逸らされる。
結果的にそのカウンター自体は阻止出来ても、阻止した攻撃のカウンターが飛ぶ。
鼬ごっこのようなやり取りが続き、このままだと奏が敗れるのが先だ。
「(カウンター不可の隙さえあれば、フェイトの最高速度で……)」
修行によって向上したフェイトのスピードであれば、優輝を上回る。
導王流さえなければ、ヒット&アウェイが可能だろう。
つまり、確実に攻撃を当てる隙さえあれば、倒せるはずだ。
「……私も行くよ」
「なのは……?」
「今なら、奏ちゃんとの連携があるから……少しは、渡り合えると思う」
なのはがレイジングハートを二刀に変え、奏に加勢する。
二人共“天使”を宿しており、その影響による連携は凄まじいものだ。
そして、御神流を用いた反射神経ならば、導王流に対抗する事も出来る。
「(どの道、このままだと負けるだけ……なら、賭ける!)聞いたね、アリサ!すずか!二人が応戦している間に、何とか隙を作って!……フェイト、隙を作った瞬間を狙って、確実に仕留めに行って」
「……うん……!」
戦況に変化を与えな
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