第8章:拓かれる可能性
第242話「全滅」
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優輝が次に標的にしたのは、イリスを相手していた司だ。
それを司も理解したのか、敵前逃亡の形でイリスから離れる。
「ッ、くっ……!!」
攻撃を障壁で何とか
転移で逃げようと、優輝は同じ転移で追いかけてくる。
「断て!!」
「っ!!」
空間ごと遮断する障壁で、優輝の攻撃を凌ぐ。
イリスが手隙になるのはまずい。
そう考える司だが、イリスに意識を向ける事さえ出来ない。
「(障壁で防ぐので、手一杯……!僅かにでもタイミングがずれたら、押し負ける……!……ううん、攻撃する事こそダメ!)」
無理にでも反撃して、優輝の攻撃のリズムを崩そうとする。
だが、それこそ優輝に対しては悪手だと、司は思い留まる。
「っ、かはっ……!?」
しかし、その思考すら隙となる。
障壁の追加展開が間に合わず、優輝の肉薄を許してしまった。
咄嗟にそのまま放たれた手刀による突きを、シュラインの柄で受け止める。
「くっ……はぁっ!!」
防御の上から衝撃が司を貫いた。
それでも司は魔力を練り、一気に放出する。
全方位に放つ攻撃ならばカウンターを受けないであろう判断から、その行動に出た。
加え、念を押して転移を間に合わせる。
「……“何人たりとも、我が身に届かず”!!」
“祈り”を加え、防御魔法で自身を覆う。
それは、かつて心を閉ざした時の司や、その司を模したジュエルシードが使っていた、“拒絶”の意思による障壁。
あらゆる干渉を防ぎ、時には敵を圧殺する“心の壁”。
それを幾重にも自身に重ね、優輝の攻撃に備える。
「はぁっ!!」
「ッッ……!!」
創造魔法による攻撃は、待機させておいた魔力弾で相殺する。
突貫してきた優輝は敢えて迎撃せず、防御のみで迎え撃った。
イリスの攻撃すら防げるはずの“心の壁”が、その一撃で割れていく。
「いくら優輝君でも、それ以上踏み込ませないよ!!」
「っ……!」
“心の壁”は、“領域”と似通った性質を持っている。
そのため、現状においてその効果はかなり強化され、司の意志に左右される。
さしもの優輝も障壁の圧力に押され、攻撃が止まった。
「(攻めるなら、遠距離からの攻撃しかない!)」
優輝の間合いで攻撃するのは自殺行為だ。
司は見る余裕がなかったが、椿と葵はまさしくその行為で負けた。
遠距離攻撃ならば、攻撃を捌かれる事はあってもそのままカウンターはない。
「(でも……!)」
しかし、遠距離攻撃を行うための、肝心の距離が取れない。
転移で瞬く間に距離を詰められ、その度に司の“心の壁”が破られそうになる。
「(このま
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