第一章
[2]次話
思い切って
アメリカテキサス州から日本の神戸にある八条学園に留学しているドロシー=ノイマンは友人のリディア=リリウ=ヤマナカにこう漏らした。
「最近疲れたわ」
「疲れたってどないしたんや」
リディアはドロシーの青い目と長いブロンドをポニーテールに白く面長で少しソバカスがある顔を見つつ問うた、背はドロシーの方が高く一七〇近くある。日系人であるリディアから見れば全く違う外見だ。
だがそのドロシーは今はこう言っていた。
「学校の勉強に部活に委員会の仕事に」
「色々あってかいな」
「疲れたわ」
「それはまたな」
「あんまり疲れたから」
それでとだ、ドロシーはリディアに話した。
「体力、気力もな」
「回復させたいな」
「ほんまにな」
こう言うのだった。
「ちょっと」
「ほな休むか」
「いや、休む前に」
その前にとだ、ドロシーはこうも言った。
「食べたいわ」
「食べるんかいな」
「そやから今日のお昼は」
「何を食べるんや」
「ステーキや」
それだとだ、ドロシーは言い切った。
「それ食べたいわ」
「ステーキかいな」
「それ食べてな」
そのうえでというのだ。
「体力回復させたいわ」
「ステーキかいな」
「そや、それをな」
「今あたし等がいる日本やとな」
どうかとだ、リディアはドロシーに話した。
「疲れた時はな」
「穏やかなもん食べるな」
「お粥とかな」
「こっちで言うとオートミールやな」
「そういうの食べるけどな」
「あかんあかん、オートミール食べても」
ドロシーは米ではなく大麦の粥から話した、ミルクを入れて炊くそれはアメリカでもポピュラーな料理である。
「それがリゾットでもな」
「食べてもか」
「元気出んわ」
こう言うのだった。
「そやからな」
「それでかいな」
「ステーキ食べて」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「元気出すんか」
「そうするわ」
これがドロシーの考えだった。
「そやから今日のお昼はな」
「食堂行ってか」
「この学園の食堂幾つかあるやろ」
「学生さんの数が多いだけにな」
「その中にアメリカンなところもあるな」
「中華風もイタリア風もあるな」
「そのアメリカ風のとこ行ってな」
つまり自分達の国の料理を出してくれる食堂に行くとだ、ドロシーは話した。
「そしてな」
「ステーキ食べるか」
「そうして体力も気力も回復させるわ」
「ワイルドやな」
「ハワイでもそやろ」
「ハワイでもステーキ食べるけどな」
それでもとだ、リディアはドロシーに自分の出身地から話した。
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