情熱の舳先
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、ってる?」
今度は声が届いたみたいで。
彼は、すごい速さで小刻みに頷いてきた。
……ちょっと、楽しい。
そういえば、こうしてただ誰かに見てもらうためだけに着替えをしたのはいつ以来だっただろう。
あの日は確か、そう──
────────────
──こんな感じ、だった。
「……“次は、どんなポーズが見たい?”」
「へっ!? ……ぇ、え? いいの? イヌわがまま言っていいの? ホント?」
卑屈な彼に頷きを返す。だって。
「“喜んでもらえるなら、わたしも”ちょっと楽しい……から」
それに、少しだけ。
もう少しだけ、あの頃の──
タバサが懐かしい思い出を掘り起こす一方、リクエストを求められている才人は、ちょっと悩んでいた。
タバサは一切の計算なしの自然な行動が素晴らしくツボを突いてくるし似合っていてかわいいのである。
となると、リクエストすべきは普通にしていてはまずお目に掛かれない何かになるのだが、かといってまるでタイプが違う行動をさせるのもちょっと気が引ける。
……見てみたくはあるのだが。
ふむ、と改めてもう一度、ぶっかりタバサを眺めてみる。
上は先日のセーラー服、ただし才人自らがっつりと丈を詰めた品だ。
詰めてなおダブついているのは、タバサのぼでぃが才人の朧おぼろげな記憶を上回ってちっちゃかったから。
ではなく、才人の無駄なまでの飽くなき執着心の賜物たまものである。
なにせダブついているのは袖そでだけで、肩首廻りは適幅、裾すそに至っては迂闊うかつに動くと肌がよく見える短め仕様である。
明らかに狙っている。
ちなみに色は素地のままだが、白地白襟の長袖は、胸元の深いスカーフや、タバサの澄んだ髪や肌の色と相まって、とても清々すがすがしく映はえている。
返しの袖口と襟縁えりぶちの柔らかな三本の虹は、アクセントとして丁度よい程度に控えめだ。
こちらは狙ったわけではなく、単に才人が染物を武器と認識できなかっただけであるのだが、結果オーライだから何の問題もなかった。
下はタバサの普段着でもある学院指定のスカートだ。
もともと紺のブリーツタイプだった上、タバサの制服スカートは何やら短めに改造されていたため、何の仕込みもないのにセーラー服によく似合うという奇跡のような逸品であった。
臍へそを隠すための努力なのか、普段よりも更に短くなっていて very godすばらしい。
まさかの膝上十五サントである。
露あらわになった細い足は、腿ももの中ほどまでを真白く長い靴下に包まれて
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