情熱の舳先
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蕩とろけた目でわたしを見つめつつ自分自身への賛辞を早口言葉のように垂れ流している。
なんだかあぶないオバケにでも依とり憑つかれたみたいでちょっと怖い。
「タバサも最高! すばらしい!
何がってまだ何も注文してないのに大事な要所をしっかり絞って登場してくれてるところが!
タバサ様、お天道様、あとこっちでこの服を考え付いた何方何どなたか様!
心の底からぁあぁりがとぉおおおおおおおおオオオオオオオッー!!!」
要所って何だろう。
彼はそうしてまた一頻ひとしきり絶叫シャウトすると、急にぐっと手を胸の前で握り締め、ぷるぷる震えはじめた。
よく見れば目の端から涙すら溢れ、「ああ、生きててよかった……」なんて言葉まで呟いている。
その狂乱振りがことさら珍しく、付け加えるなら何かヘンな危険物でも食べたのかととても不安になり、タバサは咄嗟に尋ねていた。
「大丈夫?」
「あ。うん、とっても元気ダヨ? うん。
妄想もよかったけど、本人が着るとレベルの桁が7つくらい跳ね上がるネ」
とても大丈夫ではなさそうで、さらに不安が煽られただけだった。
それにしても、
「この服、この間のタルブで艦ふねの兵が着「否ッ! いや、俺の世界でも元はそうだったみたいだけど断じて否ァ!」」
なぜか渾身で否定された。
拘りでもあるんだろうか。
「それはッ! その服はッ!
前住んでた世界ではセーラー服と呼ばれておりィ!
同年齢の女の子たちの制服となっておりまシたァッ!」
彼の世界の服?
「がしかァし!
ボクはその制服を着た女の子を見たことがなかった!
一度たりともなかったァアアアッ!
揃いも揃ってあンのカタブツ教師陣めェええエえヱ!」
なんだか最後の方の声は怨念が籠っている気がする。
……どうして彼が見たことのない服のことを知っているのかも、ちょっと気になる。
「だがしかしそして今ァ! 俺はァ! とうとう、ッついに、ッ念願のオンナのコを見ているゥッ!
タバサが着てると仕草の可愛さと破壊力が相乗シャァああアアッ!
アアアア生きててゴメンなシゃいッ! 欲望全開ですイましェんでしたァアアアアァア──!!」
そうして涙を流しながらもっかいシャウトして何かに平謝る騒がしい彼は、けれどとても嬉しそうだった。
何に謝っているかは理解してはいけない気がする。
いや、そんなことよりも。
「……ってる?」
「ん?」
声が小さすぎた。
もいっかい。
「そんなに、……似合
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