第四部
水の哀悼歌
湖沼の国の姫陛下
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ってたから。
遅くても夕飯には出てくるだろ」
どんな表情よ。
……って、表情って目元しか変わってなかったじゃない!
何よその細かさ!?
どこがどう違うのよ!?
ていうか、そもそもなんで場所が躊躇いもなくタバサの部屋――
――って、あ。
そういえば。
「……そうね。後で謝っておくわ、念入りに」
ええ、それはもう色々と。
「そうしとけ。野菜の類のサービスと一緒だとなおいいぞ」
そうね、とルイズはにッこりと微笑み――
――それを真っ向からみた才人は、どこか不穏な雰囲気を感じて身震いした。
「ところで、サイト?
わたし、あんたに尋ねなきゃいけないことがあったの、すっかり忘れてたんだけど」
「な、なんだ? ……な、なんで距離を詰める?」
じりじりと、笑顔のまま近づいてくるルイズに、言い知れぬ恐怖を覚える。
なんだろう。なんだか、とても見覚えがある気がする。
「ええ。あのね?
あんたが宝探しに行ってた頃に、わたしヘンな噂を聞いたことがあったんだけど」
あ、やばい。
なんか、とてもやばいことを忘れてたような……
「あんた、タバサと一緒にお風呂入ってたってホント?」
「あ゙」
一瞬でその非常事態と体温を思い出した。
顔面が沸騰し、同時に脳みそから血の気が失せる。
顔を通り越して、きっと今おれは肩辺りまで真紫……いや真っ白になっているかもしれない。
そして、ルイズにはそれだけで充分な確信を与えてしまったらしい。
「へぇえ。本当だったのね。犬」
そして、ルイズの変わらない笑顔の正体にも思い当たった。
犬来た。
やばい、これはマジ怒っていらはる。
慌ててルイズに背を向け、扉を――
「開かねぇ!?」
扉は壁の如く、びくともしない。
「あら、何処へ行こうと言うのかしら? 犬。
残念だけど、そこは既に施錠済みよ? 犬」
語尾の区切り毎に犬を挿入しつつ、笑顔をぴくりともさせずにルイズがラスボスみたいなことをのたまっている。
その手に持っているのは……
「いつ開いたんだその本!?
ていうか何で杖!? 」
「不思議ね。犬。
今なら、もう一つの魔法だって何の躊躇いもなく使える気がするわ。犬」
どうやらルイズ、怒りの臨界点を突破しすぎてなんか色々すごいことになっている。
扉を施錠と言うか封印したのも魔法か。
てか、これマジやばくね?
「ちょ
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