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fate/vacant zero
第四部
水の哀悼歌
湖沼の国の姫陛下
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こそ多かったが、火傷などを起こしていなかったこと踏まえると、あの“爆風”は風石を原因としたものと見るべきだろうか。

 いずれにせよ、


「奇跡の光。言い得て妙だね、まったく。
 本当に、我が祖国は恐ろしい国を敵に回したものだ」

「違いない」


 いけ好かないあの生臭皇帝クロムウェルを思い返し、二人して含み笑った。


「時にホレイショ。
 君、あのバカ・・・・や僕の部下たちについてどうなったか聞いていないか?」

「ああ。それなら今朝、外の見張りから一通り聞きだしておいた。
 どれから聞きたい?」


 そうだな……。



   あのバカのこと
> 部下たちのこと
   竜騎士隊のこと



「部下たちについてから頼む」

「何だ今の間? ……まあいいか。

 捕虜になった連中についてだが、大半はトリステイン王軍に志願したらしい。
 連盟レコン・キスタに心酔してた連中も含めてな」


「まあ、随分と派手に負けたからな。
 ……いやまて、そんなに一気に兵を増やして大丈夫なのか? 我等が王軍の懐は」

「そこは流石、水の国と言うべきだな。
 金はどうか知らんが、食糧だけはまず間違いなく余裕だそうだ。
 所属部隊については……まあ、我々と同じだな」

「女王陛下の初公務待ち、か」


 それは何より、とボーウッドは一つ首肯した。



「さて、他には?」


 そうだな……。



> あのバカのこと
  部下たちのこと
   竜騎士隊のこと



「割とどうでもいいことなんだが、ウチの旗頭はどうなった?」


「だからその間は……いや、いい。
 で、艦隊の旗頭というと。アレかね、戦犯ジョンストン」

「そう、ソレだ。確か昏倒された後、レキシントンの内部に運び込まれていたはずだが」

「いや、されたって……なんでもない。

 ヤツに関しては、何も情報が入っていないな」


「仕入れなかった、の間違いじゃないか?」

「違いない。

 ……いや、流石に冗談だよ。
 本当に、ヤツに関しては何もないんだ。
 見せてもらった捕虜リストにも名が無かった」

「ふむ。つまり――――混乱に乗じて死んで頂けたのかな。無事」


「……何だかアレ以来過激になってないか、君?
 まあ、あの状況下で生き延びてアルビオンに帰れたとは思い難いが」


 そうだと嬉しいんだがなぁ。主に僕が。

 と、二度ボーウッドは首肯した。



「あー……で、まだあるかい?」


 そうだな……。



  あのバカのこと
  部下たちのこと
> 竜騎士隊のこと

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