竜が翼迫る雲の上
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、欲しい。
失敗したって、それでもっと強い攻撃が出来るならいい。
――二人に並べるような。
それこそ、凧ふねだって落とせるくらいに強い力が、
「私は、欲しい」
思わず口に出すほど強く念じて、目を開いた。
正面、書の目次と思しき頁は、二つの文字列を増やしていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
初歩の初歩の初歩。糾弾の力。『魂破バースト』。Objectum inundare ex spiritalis.
初歩の初歩の初歩。拒絶の力。『爆砕エクスプロージョン』。Spatium recusativus ex magicus.
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
願いの通り、力の名前がそこにあった。
歓喜が、吐息に引っ付いてノドから毀こぼれ出す。
哄笑が、全てを押し流すように心の底を満たしてゆく――
Fate/vacant Zero
第二十九章 終編 竜が翼迫る雲の上ファンネル・アロフト
「畜生、あのヤロウ、性懲りもなく出てきやがって! ――どうだ、デルフ!?」
「ダメだぁ、付かず離れずでピッタリ張り付いてきてやがる!
どうするよ相棒、さっきみたいなケツ火の奇襲はもう当たりそうにねえぞ?」
「分かってる、今考えてんだちょっと待てって!」
「奴さんがんなのんびり待ってくれるようなタマかよっ取りか、じゃねえや右に傾けろ、急げ!」
「くぉのッ!」
こちらは丁度遥か眼下の森でルイズが杖を握って☆に触った頃、海抜凡そ2.4кмキロメイルの上空。
才人とジャンは、艦に倍するその高度で一進一退に攻防を交えていた。
F-15イーグルの砲槍はジャンが巧みな操竜技術で少しでも長く後背を維持することで。
ジャンの風の魔法は周辺の練られた精神力を読むデルフリンガーにガンダールヴの超反応で応える才人操るF-15イーグルの、先読み染みた回避運動で。
それぞれが互いの切り札を封じ合い、互いに決め手を欠く二人の戦。
さながら尾を食みあう二匹の蛇のごとく、後背を奪い合う集中力の持久戦へとその様相を移しつつあった。
「やべぇなぁ」
「いかんな」
「マズイな」
それに気付いた二人と一振りが、ほぼ同時に声を漏らす。
「相棒、こいつぁ後どんくらい飛んでられるんだね?」
ジャンは、自らの乗騎を見やり思案する。
才人は燃料系に一瞬視
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