竜が翼迫る雲の上
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Sol、其は光Hoc Lumen.。即ち顧みぬ者Denique non meditator、是『上天』Denique《Aetera》.。
振り返る魂Spiritus ex negativus,、仄かに灯して地を照らす力potentia tellus despicere et lucerna.。
其は光に従う者Hoc Luna,、其は影Hoc Umbra.。即ち己なき者Denique non confidentrix,、是『虚無』Denique《Zero》.。
先の四大に是の『空』を加えHoc addere praequartus,、其を五大の系統とし此に綴らんMeus adumbrare Quintus multus originis.。”
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声もなく、ただ書かれたことを、誰にも聞かれず口にして。
ノドの痛みが、知らず固唾を呑んでいることを伝えてくる。
でも、今はそんなことはどうでもよかった。
いま確かに、虚無zero、とこれには記されていた。
見知らぬ単語、空vaco、上天aetera、なども併記されているが、虚無だけはよく知っている。
伝説の系統、失われし秘術だ。
今、それがこの手の中で、封を解かんとしている。
ただそれだけで、これまで感じたことのなかった熱い何かが、心の内を暁と照らしてゆく。
逸る気持ちに掣肘など、思いつきすらしなかった。
世界の内から己と祈祷書以外の全てを弾き飛ばし、頁をめくった。
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“吾が子孫等よ、是を読みしは『空』を継ぐ者なり。
汝等に、吾が使命と願いを預けんとす。
吾が使命は、聖地の奪還。
志半ばで倒れし同胞の御魂を彼等が故郷に還すべく、
異教の者どもが封印せし門を開放すべし。
吾が願いは、空の邂逅。
空の使い手、空の従者、空の宝珠、空の秘宝。
普く石の都に集いて、祈りを捧げよ。
願わくばその祈りが、喜びに満ちた物であらんことを。
願いと使命を継がんとする者は杖を取り、宝珠を指にし、頁右下の印に触れよ。
汝の望みのままに、書は必要とする力を示す。
Brimir Le R'Ymir Yr Vilji Ve' Baldur”
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何故かこの頁だけ
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