竜が翼迫る雲の上
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はいなかった。
中空に滞空しながらも、飛び去ろうとする怪鳥を睨み据え、無事な腕に持ち替えた杖を手に、再度『飛行フライ』の呪文を唱える。
もう一度。
もう一度、今一度、あの逆立った翼に手を掛ければ――!
まだ、勝てる。
そう信じ、『飛行フライ』の呪文を完成させ、発動しようとしたジャン。
だが、
「ごッ!?」
そのイメージが、喉仏を強突する硬い衝撃に遮られ霧散した。
何事かと、出血と衝撃に霞みかけた目で背後だいちのほうを見やると……。
「こ、むす――」
その曲がりくねった長い杖の頭にこの身を掛け、今まさに振りぬかんとする青髪の女騎士シュヴァリエの後姿が見え――
そうして。
その一撃をもって、この空域最後の空中戦の、幕は落ちた。
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