竜は異界の風を見せるか?
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何故か朱色に染め上げられており、周囲の白とのコントラストが異彩を放っている。
才人は、はてと首を傾げた。
なんだか、見覚えのある形の門柱だ。
見覚えはあるのだが、絶対にこんな所にはあるはずのない見覚えだ。
才人が気のせいだろうとその考えを切って捨てたところで、扉を調べていたタバサが振り向いた。
「何かわかったのか、タバサ?」
いつものように軽くこくりと頷いたタバサは、口を開いた。
「建物全体に、『抵抗レジスト』が掛けられている」
それもかなり強力なものが、との弁に、才人たちは確信を深めた。
どうやら、『宝』がこの中にあるのは間違いなさそうである。
……ついでに、余計なところまで間違いなさそうだ。
「これって、どう考えても蔵くらの類たぐいだよな」
再びこくりと頷くタバサ。
フーケじゃあるまいし、人さまのものを勝手に拝借するのはいくらこいつらが貴族だと言ってもまずいだろう。
宝探しは血沸き肉踊る楽しさが伴ったが、流石に泥棒行為では心が震えない。
いやガクブル的な意味でなら震えるかもしれないが。
と、なると。
「……しょうがないか。それじゃあ、学院に《メキャァ! ゴト、ゴトン》……返………………
……………………は?」
引き返すか、と提案しかけた口が、そのままバカみたいに塞がらなくなった。
何故かって?
そりゃあ、いま正に目の前で起こってることのせいだろう。
開いた口が塞がらない、って奴だったか。
「「お宝ー!!」」
キュルケとギーシュが躊躇ためらいもせず閂かんぬきを破壊して、寺院的な蔵?の中に飛び込んでた。
「…………」
タバサは唖然として真っ二つにへしおられた閂かんぬきを、肩越しに見つめている。
「…………」
才人は呆然と明暗差で真っ暗な建物の奥を見やっている。
「…………器物損壊?」
タバサは我に返り、建物の方へ向きなおった。
まだちょっと動揺しているかもしれない。
「…………いやその前に強盗なんじゃねえか?
……って言ってる場合か! 早く追うぞ、タバサ!」
才人は我に返ると、数少ない友人が窃盗犯になるのを防ぐべく、タバサとともに暗い建物の奥へと飛び込んだ。
「おい、ギーずぶへッ!?」
「…… 《ぼふ》ッ……!?」
「ぇ、ぅきぁあ!?」
「ぬ、ぉ ごふッ!?」
飛び込んだ途端、才
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