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fate/vacant zero
竜は異界の風を見せるか?
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二人が村外れから戻ってくると、ギーシュが何やら便箋らしきものを手にしてフリーズしていた。

 キュルケはキュルケで、その便箋をその背後から覗き込んで青褪めている。


 こりゃいったい何事だと、二人は同じようにしてその便箋を覗き込んだ。



 どうも一枚はギーシュの父親のコネからの返事だったようだ。

 竜騎士隊の貸し出しを了承する旨が書かれている。


 で、もう一枚の方は。



「なあタバサ」

「……なに?」


「これ、長々と色々書いてあるけどさ。

 ……なんかどの文も全部、『授業をサボって宝探しなぞ言語道断』と『帰ってきたらお仕置きだ』のどっちかに読めるんだが。
 俺の目がおかしいのか?」


 タバサはしばらく無言で宙に視線を投げ出した後、ぽつりと、


「それで正解」


 と呟いた。



「あー……。
 ……ごめんな、ほんと。俺のせいでえらいことになっちまったみたいで」

「別に、あなたのせいじゃない」


 被せるように、才人の謝罪を両断したタバサは、青くなって固まったままの二人に追い討ちをかけた。



「自称『宝の地図』を買い込んできたのはあなたじゃない。
 だからあなたは謝らなくていい」



二人は、綺麗さっぱり撃沈した。






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