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fate/vacant zero
たからさがし
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しきペンダントをかざし、誰にともなく残念そうに呟いた。



「……やはりこれは緑玉エメラルドだよ。
 青玉サファイアじゃない。
 粒もそれほど大きくないし、おまけに細かな傷だらけだ。

 ――これが本当に『秘宝』なのかい?」


「まあ、そうやって普通に覗き込めてるんだから絶対違うわね。
 それ、モンモランシーへの贈り物にしちゃいなさいな」


 キュルケは爪の手入れをしながら、つまらなそうにそうのたまった。


 ちなみに才人は血塗れの青銅包丁を片手に、焚き火の傍でぐるぐると空いてる手を動かしている。

 タバサはそんな才人に対して今夜の“授業”を敢行中だ。



「なあキュルケ、これでもう七件目だ!
 地図を頼りにお宝が眠るという場所に出向いてみても、見つかるのは銅貨や安物の装飾品まがいものばかりだ!
 完膚なきまでにインチキ地図ハズレばかりじゃないか!」

「うるさいわね。
 最初に言ったじゃない、殆どはクズだって」


 敷いた毛布に背中から倒れ込んだギーシュは、力尽きたような声を捻ひねり出した。



「いくらなんでも酷すぎる……!
 廃墟や洞窟は猛獣や亜人どもライカンスロープの住処になってるし。
 苦労してそいつらをやっつけた報酬も、このボロボロの首飾りが一番まともだぞ?
 割に合わんこと甚だしいよ」


「そりゃそうよ。
 ちょっとやそっとの化け物を退治したぐらいで大金持ちになれたら、苦労しないわよ。
 だいたいギーシュ、その七つの地図の内、四つはあなたが集めてきたものじゃない」


 ぐぅ、と完全にギーシュは毛布に沈んでしまった。

 なんとも重い沈黙が二人に降りた。





「――え?
 もう二乗呪文ラインスペルに挑戦できるのか?」


 焚き火の間近に座ってきこきこと原始的に肉を焼いている才人が、目を丸くして鸚鵡オウム返しに尋ねた。

 タバサはそれに頷き答える。



「今日の戦闘で唱えた呪文」

「今日の? ってと、『風刃エアカッター』か?」


「そう。
 あれを見た限り、もう充分に二乗呪文ラインスペルを唱える素地はある」


 ただし『風』属性限定、とタバサは締め括った。



「二乗呪文ラインスペルって、そんなに簡単に使えるもんなのか?」

「普通に生活しているなら、ドットからラインになるまでに最低一年は掛かる。
 と、言われてる」


 タバサによると、二乗ラインレベルの魔法を唱えるための最低限の条件は二つ。

 一つは、単系統呪文ドットスペルを最低で四回は唱えられる程度の精神力の残量。

 もう一つは、単系統呪文ドットスペルを確実に成功させられ
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