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fate/vacant zero
たからさがし
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、左の敵を食い止めろ。
 ……それじゃタバサ、毎度ながら〆は頼むな?」


 タバサが物陰から飛び出しながら、大きな杖と短剣シェルを構えて提案し。

 才人が彼女に追随しながら、剣デルフを構えてそれを了解し。

 火蜥蜴フレイムはきゅるきゅる口から炎を溢こぼしながら頷き。

 離れたところから繰くられるギーシュの三体の青銅人形ワルキューレが、陽炎かげろうの中から忽然こつぜんと現れる。



 この一週間程度の宝探し生活コミュニケーションは、知らずの内に滑らかな連携コンビネーションを可能にしていた。





 “障害物”を砕くべく振り下ろされた3つのフレイルは、“障害物”に当たることなく、虚しく大地を削った。

 そして瞬まばたきするほどのわずかな時間が経ったとき、フレイルを振り下ろしていた最前線の三羽は事切れた。


 左の仲間は“剣士”の振るった片刃の長剣に、一太刀で首を刎はねられた。

 右の仲間は“人形”が投げ放った二本の槍によって地に羽を縫い付けられ、“火蜥蜴”の吐息ブレスにこんがりと焼かれた。

 中央の仲間は敵後陣の“魔法使いメイジ”――が振るった短剣より放たれた魔法攻撃かぜのやいばに翼うでを裂かれ、頭蓋ずがいを三体目の“人形”の突き出した槍にぶち抜かれ、脳漿のうしょうを散らした。



 仲間たちはその光景にさらに血を上げたようだったが、私の頭はそれで冷え、冷静に状況を分析する。


 確かに敵の攻撃力は凄まじいが、何も怖れることは無いのだと。

 度重なる人間どもとの戦いの中で、我々は学習した。


 “魔法使いメイジ”の魔法は、連射されることはありえない。

 “剣士”の動きで、俊敏しゅんびんなる我ら鴨鬼ダックの攻撃を止とどめることは出来ない。

 あの“人形”は青銅製だが、我らの“武器”は鋼をも打ち破りうる。

 “火蜥蜴”は厄介だが、一斉に襲い掛かればどうということはあるまい。


 ならば、今この場で最も優先して倒すべきは誰か?

 それは無論、最も高い攻撃力を秘める者。


 そして、最もこの瞬間に、無防備である者。



<魔法使いを集中して狙え! 奴はいま、何も出来ん!>



 そう、本来ならばその思考は正確であり、さしたる苦もなく彼らは勝利を収めえただろう。

 しかしこと今回の敵に限っては、その選択は浅はかだった。







 鴨鬼の隊長格ダック・ジェネラルが何事かを叫んだとき、タバサは唱えた魔法を放つべきタイミングを計っていた。

 先ほどの風刃エアカッターはタバサではなく、シェルンノスが単独で放ったものだ。

 今もまた打ちかかってきた鴨鬼ダック
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