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fate/vacant zero
たからさがし
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では、あれは罠か?



 ……否、例え罠であろうとも、このまま放置すれば下草に飛び火し、火災は必至。

 ならば。



<第2小隊は速やかに消火開始! 第1小隊は私と共に哨戒に当たれ! 小癪こしゃくな人間どもを燻あぶり出すぞ!>







 ――かかった。



 その場に集まった鴨鬼ダックの半数が燃え盛る木に向かうのを横目に認めて、キュルケはそう確信した。

 予定通りに、隠れ潜んだ木の上で呪文を詠となえ、タイミングを計る。

 そして半分の鴨鬼ダックが燃える木を囲み、その手の武器――フレイルを振り上げた時……その一瞬は訪れた。


 ぼごり、と大きく音を響かせ、木を囲んでいた鴨鬼ダックたちの足元が、突如として陥没したのだ。

 これもまた、予定通りに。


 そしてキュルケはその一瞬を逃すことなく、現れた穴に向かって呪文を解き放った。


 『火』、『火』。

 『火』の二乗、すなわち『炎』。

 常用している『火球ファイヤーボール』より一回りは大きく、より激しく燃え盛る炎の球。

 上位呪文ラインスペル『炎弾フレイムボール』は、寸分違わず鴨鬼ダックどもが落ちた大穴に侵入し。


 事前に穴に溜め込まれた油に引火し、ド派手な燃焼音とともに弾け、燃え上がった。


 それに巻き込まれなかったもう半分が、烈火の勢いで隠れている木こちらに迫ってきているが……まあ、恐れる必要は無いだろう。



 頼もしい味方が、こちらにはついているのだから。





 おのれ、と。

 部下の半数を一瞬にして失った隊長格ジェネラルは、一瞬にして逆上のぼせあがっていた。

 哨戒に当たっていたがために生き残った部下たちも、みな怒り心頭の面持ちを見せていた。


 だから彼らは、まだあるかもしれない罠の存在など忘れ去った。

 だから彼らは、“炎を放った一人”以外の敵の存在を見失った。

 だから彼らは武器を振り上げ、“炎”の出所に向かって、一丸となって疾走をはじめた。



 ゆえに彼らは、進行方向に立ち塞がった“敵”を、“ただの障害物”と見誤った。


 ゆえに彼らの命運は、この瞬間に決定付けられた。



 詰まる所。

 知能が高いとはいえど、彼らはやはり、“人”ではなかったのだ。

 怒りという名の本能に敗北した彼らは、もはや“亜ことなる人”などではない。



 其処に居るのは、群がるだけの“獰猛どうもうなる獣けもの”、そのものであった。







「討ち損ね。作戦、Бべーに変更」

「ああ、作戦通り俺は右を。フレイムはギーシュと協力して
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