たからさがし
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眼前に掲げたその地図を鋭く見据えながら、呟いた。
「『竜の羽衣』。地図によると……、タルブ領の村近くにあるらしいわね。
タルブってどの辺りなの、ギーシュ?」
「タルブ領かね。
確か、ラ・ロシェールの山を越えた辺りだったように思う」
ギーシュがそう応えると、キュルケは軽く頷いて、地図を丸めた。
「ラ・ロシェールなら、ここから近いわね。
それじゃあ明朝、日の出を待って出発しましょ」
さて。
場面は移って、こちらは魔法学院。
ルイズは相変わらず授業を休み、ベッドの中に閉じこもっていた。
それでも食事を摂るようになったのと、入浴をしに一階へ降りるようにはなっただけ、一時いっときに比べれば随分とマシにはなったようだ。
それは、キュルケが部屋を訪れた日の夜のこと。
夕食を運んできたメイドが第一声で謝ってきたせいか、意地を張るのがバカらしくなったためだったりするが……、その周辺イベントに関してはまた別の話で。
その翌朝には、才人のことも許してあげようかと思った。
才人が授業に変わらず出ていることは聞いていたので、その日は午前中から授業に出た。
『風』の授業だった。
才人はいなかった。
いや、才人どころか、キュルケも、タバサもいなかった。
昼食の後、たまたま出くわした不機嫌そうなモンモランシーに、才人がどこへ行ったかを尋ねてみると。
なんでも、ギーシュとキュルケ、それにタバサと才人が今朝から姿を消しているらしい。
各々の使い魔たちも同様であり、タバサの部屋には老オスマン宛ての書状が一通残されていた。
曰く、『一攫千金に行ってきます』だとか。
それを読んだ老オスマンは莫迦笑いし、カンカンになった先生たちを宥なだめながら『2F大ホールの大掃除』を罰として提案したそうだ。
なんだ、楽しそうじゃないの、と。
ソレを聞いて、取り残されたような気分になったルイズは、午後の授業をフけ再びベッドに引き篭もった。
以来一週間、入浴以外はベッドにうつぶせて泣き明かす日々である。
そうして今日も夜になり、入れ替わり立ち代りメイドが定期的に部屋を訪れる、いつもと変わらない一日が終わる。
かに見えた時。
いつもとは違う、今宵二度目のノックが部屋にこだました。
何かあったのかと思い、ドアが開いていることを告げると、はたして扉は開かれた。
「失礼するよ、ミス・ヴァリエール」
あわせて聞こえた、聞き覚えのあるその声に、ルイズは
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