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fate/vacant zero
たからさがし
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  以上の三つだ。

  では、これが二乗呪文ラインスペルになるとどうなるのか?


  まず、当然ながら着色すべき精神力は“二つ”に増える。

  これらを最初から混ぜてしまってはいけない。

  最初から混ぜてしまっては、それぞれの魔法力に"結果"を付加することが出来なくなってしまうからだ。


  そう、"結果"だ。

  "結果"とは、すなわち魔法の"過程"の終端だ。


  二乗呪文ラインスペルの場合、想像イメージすべきは最終的に導かれる"結果"そのものではない。

  それぞれの魔法力が生み出す、"過程"をこそ想像イメージしなければならないのだ。


  そうして色漬けたそれぞれの魔法力を、呪文という溶接材をもって的確に接合しなければならない。



  二乗呪文ラインスペルは“単系統呪文ドットスペル四回分の精神力”を魔法力に変換するのではない。

  “単系統呪文ドットスペル四回分の精神力”の内、一回分はこの制御のためだけに費やされるのである……』


(Houard Chifille De Le Froglie, "魔法の変遷−系統ドットより秘奥へ至るまで−" Anno.Vartoli.1952, 第二部第一章より)







「なるほど……。なんか、唱えてる間に頭の中でこんがらがりそうだな、これ読んだ限りだと」


 タバサが示した本の一節を読み終えた才人は、手を休めることなくそう溢こぼした。



「大丈夫」

「そうか?」


「三乗呪文トライアングルスペルの場合を考えて」


 才人はその突飛な提案に従い、もう一つ系統を足す場合を考えてみた。



「……まさか、さっきの着色と過程の部分がさらに一つ増えるのか?」

「加えて、それらを正しい順番で接合することが必要」


 うへぇ、と才人は舌を出す。



「想像できたら、また二乗呪文ラインスペルの場合を考えて」


「またか?」

「また」


 素直に従った才人は、相変わらず手を休めないまま二乗呪文ラインスペルの工程を想像してみた。



「……あれ?」



 するとどうしたことか、先ほどよりもすんなりとソレを想像イメージすることが出来、才人は首を傾げた。


「あなたは次に、"なんだ簡単じゃないか"と口にする」

「なんだ簡単じゃないか……、へ?
 今、なんか言ったか、タバサ?」


「……なにも」


 そうかね、と才人が手元の肉に視線を戻すと、その骨付きのモモ肉はじゅーしーな脂あぶらを滴らせながら、こんがりと焼きあがっているように見えた。



「ぉ、もう
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