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fate/vacant zero
たからさがし
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のだろうかと。


 そんな自問の、霧の中へ。







Fate/vacant Zero

第二十五章 たからさがし







 十数年前のことである。

 そこには、一つの村があった。


 それはハルキゲニアならどこにでもあるような、平和で、平凡で、文化的な村だった。

 ただ、運が無かっただけの。普通の村だった。



 打ち捨てられたこの名も無き廃村に今なお残る、多くの建造物。

 そこに生活の痕は既になく。

 壁や屋根が崩れていたり、窓が外れていたり、蔦つたや草に覆われていたり。


 どこに出しても恥ずかしくない廃墟っぷりを、無惨に風雨へと晒さらしていた。



 さて、そんな廃墟の一つに、それなりに大きな寺院があった。


 かつて壮麗を誇っていた門柱は崩れ去り。

 寺院を守るべく張り巡らされた鉄柵は、明るい陽光の反射する余地など欠片も残さず赤錆に塗まみれ朽ちている。

 天窓のステンドグラスは砕けて直下へ散らばり、その両脇の庭や煉瓦の隙間にはびこる雑草に覆い隠されてしまっていた。


 そんなボロボロの寺院であったが、今日は少しだけ様子が違っていた。

 久方ぶりの、来客である。





「――始まるぞ」


 と、頭上から才人の声がして。

 その言葉尻にのしかかるようにして、爆発音が辺りを駆け抜けた。


 大きな木を背にしてそれを聞いたタバサは、愛用の杖を握り締めた。

 肩越しの視界には、一気に燃え上がる門柱傍の木が引っかかっている。


 それはキュルケによる、作戦開始の合図。

 同時に、この寺院に巣食う、村を廃村に変えた元凶をおびき寄せる為の狼煙でもあった。



 ほどなくして。

 思惑通りにその元凶たちは、寺院の中から次々と飛び出してきた。


 その外見は、1メイル足らずの比較的大柄な鳥類。

 全身を覆う羽毛は白く。

 平底のナベをひっくり返したような草色の兜は、黄色い嘴から上の頭をすっぽりと包んでいた。


 さらに、各々の首には小さな銀色のプレートが掛けられており。

 物騒なことに、その広げられた羽には『人の頭ほどもある鉄球を柄に鎖で繋いだ武器』が握られていた。

 それが、その鳥類が人類にとって無害にあらざるものであることを、明確に示している。


 その数は、およそ二十……いや、三十……それ以上。

 タバサが想定したよりも、かなり数が多い。


 燃えている木を目撃してぎゃあぎゃあとけたたましく騒ぎ立てる群れの後方には、二回りほど身が大きく、ナベ兜の色が蒼い、細くて
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