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fate/vacant zero
軋んだ想い
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 色々とツッコミどころはあるものの。

 まあ別に悪い気はしないし、タバサも何も言わなかったからほっといた。



 なお、これらは一昨日と昨日の朝の実験の後、軽く雑談してみた時にシルフィード本人から聞いたんだが。

 きゅいきゅいきゃいきゃいと、よくもまあ舌が回ること回ること。

 とてもとても楽しそうに、デルフやシェルを加えてさらに倍ぐらいの勢いでマシンガントークをかましてくれました。


 フレンドリーだなドラゴン。

 確かにファンタジーだが、こんなんでいいのか伝説?





 伝説の使い魔平賀才人、伝説の剣デルフリンガー、伝説のドラゴンシルフィード。

 なんかもう空気すら伝説になりそうなほど伝説が密集した部屋の中、いつか伝説になるかもしれないいつもの日常が、今日も今日とて幕を開けていく。







 ちょうどその頃、二階下の部屋の中では。

 昨夜も眠れぬ夜を越したルイズが、日差しの注がれる被った布団の中で身じろぎしていた。


 ルイズは才人を放り出して以来、「気分が悪い」と授業を休み、日がな一日こうやって布団を被っている。

 ぶつぶつ呟く声を拡声器に掛ければ、「だいっきらい」「バカ」「守るって言ったクセに」と聞こえただろう。

 そしてそれらを口に出すたびに、胸の辺りをずきりと軋ませる。


 なんで、と心が叫びを上げる。



 目を部屋の片隅に向ければ、才人の使っていた藁束が散らばっている。

 それを目にする度に胸が痛くなるので、最初はソレを捨てようとした。


 杖を手に、『失敗の魔法』で吹き飛ばそうとした。

 だが、呪文を完成させることが出来なかった。


 窓の傍まで持っていって、投げ捨てようとした。

 けれど、いざ投げ捨てようとすると、腕には力が入らなかった。


 そんなわけで、捨ててしまいたかった藁束は、部屋の隅に置きっぱなしになり。

 それを目にしないよう、ルイズは布団を被って丸くなって。

 目覚める度にそれを目にして、胸を痛める悪循環。



 まあ、要するに。

 ルイズは才人のことで頭が一杯、というと語弊があるようでない状態に陥っていた。







 ふぅ、と溜め息を軽く吐いて、キュルケはその扉を見つめている。

 昨日、一昨日おとついと目の前の部屋の主が姿を見せなかった。

 それでいて、その使い魔のサイトは、何食わぬ顔で午後の授業を受けている。


 加えて、一週間ほど前から陰で囁かれはじめた、タバサに男が出来たっていう噂。

 おまけに昨日、昼の授業のあとでこっそり部屋を覗いてみたら、普通にサイ
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