軋んだ想い
[15/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
眉と目、眉間、それに口元。
ミリ単位ぐらいでしか動かないけど、よく見ていればだいたい今どんな気持ちなのかがわかるようになった。
そのおかげで、沈黙がまったく苦にならなくなったのがすごく嬉しい。
ただ、会話の時にじっと顔を見つめすぎると、頬を軽く染めて目を逸らされたりもするようになった。
避けられてるのかなってちょっとヘコんだけど、これはこれでかわいいからおkだ。
襲い掛からないように犬の本能をねじ伏せるのが大変だけど。
「それじゃ、今日も授業、お願いしていいか?」
粘土玉を手で弄びながら、こくりとタバサが頷いた。
「ん、それじゃよろしくな」
この"授業"も、今日でもう11回目になる。
初回はトリステインやガリアで使われてるキイルっていう文字と単語、それと魔法ルーン語がチート気味ながらもだいたい読めるようになった。
二回目の時はシェルを借りて、四系統の基本魔法を使ってみて、『風』だけを成功させた。
バケモノみたいな回復力に呆あきれられたのは三回目だったか。
それから一週間ほどかけて八回目、ルイズにクビにされた日には『火』を披露することができた。
その一週間の間にキイル語・魔法ルーン語は一般的なものを粗方制覇できたので、ちょっとしたバイリンガル気分だ。
なにやらタバサに嬉しそうながらも恨めしそうに睨まれたり、実際に読んでるのが殆ど日本語だったりはしたが、嬉しいものは嬉しい。
――話題を戻す。
『発火ソース』をタバサに見せた後、『土』と『水』の状況を説明してみたんだが。
『水』の方は、染色が出来ない以上、完全に無理だと判断された。
要するに、どう頑張っても治療は出来ないというわけで。
一人旅なんて、もってのほかになってしまったらしい。
浪漫が潰れて、少し残念だ。
で、『土』の方なんだが……。
「まずは、何からやるんだ?」
「『捏土ニィド』のおさらい」
了解。
一頷きして、タバサの差し出してきた粘土玉に杖ステッキを向ける。
魔法のイメージがどうしても出来なかったため、使う魔法の種類を変えてみることにしたわけだ。
その結果は、というと。
呪文を唱え終えたら手首をスナップして、こねあげた魔力を杖ステッキの先端から、ムチの様に伸ばすイメージ。
そして粘土の塊に絡ませた魔力に、変化した後の形のイメージを再度送り……待つこと十数秒。
タバサからの終了の合図と同時、俺は集中のために落ちていたまぶたをこじ開けた。
タバサの手に持たれ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ