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fate/vacant zero
禁断の果実
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 ――はぃ?



 更に輪をかけて突拍子も無くヤバい台詞が、俺の呼吸とか時間とか色んな物を止めた。

 見えているのに見えていない、そんな視界の中、タバサが衣服を脱ぎ落としていく。


 首元、星柄の刻まれたタイ留めが外され。

 タイは解かれ。

 支えを失った黒いマントが地面にぱさりと落ちた。


 ブラウスのボタンが外され。

 するりとシャツは腕を滑り。

 肩掛けが紐状になった薄手のワイシャツ……、シュミーズ、がその下から現れた。


 顕あらわになった肩口が、白く滑らかに月の光を照らし返して。

 スカートのホックに手が掛かり。

 タバサの身動きが止まった。



「あっち、向いてて」


 ……。



「……(じー)」


 ……。



「……(じー)」


 ……。



「……(じー)」






















「ЖФСЗЩМЭЩАТЕЯП!!」



 俺は今日学習したばかりの文字類を大量に口から溢れさせながら、ガキィッ!と首の力で体を後ろ向きになるまで捻った。

 首を傷めた気がするが、いまは心底どうでもいい。


 ことり、ぱさりと、音がした。



「テンパってんね、相棒」


 当たり前だ!



「た、た、た、たば、タバサ!?
 ふ、風呂なら、貴族用のが寮にあるだろ!?
 もっとでっかくて立派なのが!! なんで」

「閉まってた」


 しゅるしゅると音がする。


 ……いや待て、今ってそんなに遅い時間なのか?



「もう二時間もしたら日が変わるぜ?」


 そうシェルンノスが答えてきた。



 ちゃぽんと、音が、した。



 そうか。

 なら、しかたない。











 わけがあるかぁあああああああああああああああああああッ!!







 うわ、うわうわ、うわうわうわ。


 やばい、これはやばい。

 水温が体感で15℃ぐらいいきなり上がった気がする。


 真後ろに素っ裸の女の子一名。

 それだけでものぼせてぶっ倒れそうなのに。



 何故だか、タバサは、ぺっとりと、背中に、張り付いてきた。


 小さなタバサの体が、自分の背中にぴったりと密着している。



 ちょ、ちょっと待った、



「待った待った待った。タバサ、一旦離れてくれ」

「やだ」


 なんで!?


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