暁 〜小説投稿サイト〜
fate/vacant zero
禁断の果実
[5/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、タバサ。

 自分が女の子だって自覚はあるかな?


 男を自分の部屋に平然と連れ込むのは、ちょっと少しかなりマズいんじゃないかって思うんだヨ、ボク。



 ……いやいやいや。


 ちょっと待て、俺。

 それはつまり、タバサになんかするつもりなのか、俺?


 まてまて、昨夜ゆうべも自分で言ったじゃねえか。

 俺の欲望からも守らないとって。

 ほら、タバサは、純粋に俺を信頼してくれてると考えるんだ。



 それに俺は、単に文字を教わりに来たんだ。

 そもそも恋人でもないのにそんなことしたら、俺、犯罪者じゃん。


 ていうかこら、好奇心。

 さっさと出てこい、お前の出番だ好奇心。

 ほら、この世界の文字の勉強だぞー。


 なんでこんな時に限って引っ込み思案なんだこらー。



「始める」

「お、おう」


 ようやく再起動した好奇心の背中を蹴って矢面に押し出しつつ、タバサの机に近づく。



「まずはこれから」


 そう言ってタバサは、一番薄っぺらい本をぱらりと広げた。

 隣に立って、それを覗き込む。


 ……うん、やっぱまだミミズののたくりに見えるな。


 ところどころ何か見覚えがあるような形になって、それなりに文字っぽくは見えるけど。

 こういう文字の書き方、何て言うんだっけ。楷書?

 あと、蒼いサラサラの髪が鼻先にあって、なんだか甘い香りがただy――自重しろ煩悩オレ。


 そしてサボんな好奇心ちゃんと働け。

 というか今日はなんでこう挙動不審だ俺。



 俺が死体に鞭打つように好奇心を捻り出すなかで、タバサの授業は始まった。





「これが、Аアー。これが、Бベー。これは、Вヴェー」


 はて、音にして聞くと何となくどこかで聞いた気がするな。

 文字そのものは殆ど初見なんだけど。はて。





 総33文字の名前を教えてもらったところで、復唱する。


「――、Эエー、Юユー、Яヤー。……で、あってたよな?」

「あってる。次は、単語」





 複数繋げて書かれた文字を指差して、その意味を一つ一つ丁寧に教えてくれた。

 くれた、んだが。



「これは、"序文"。本文を始める前に綴る、前書きのこと」


 とか、



「これは、"文明"。人道的で、合理的で、寛容な社会のこと」


 とか、



「これは、"法律"。"文明"に生きる人のための、社会的な規律」


 とか。



 単語になると、さっきみたいな文字とは違って、日
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ