禁断の果実
[15/15]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
……」
部屋の中で二人が眠りについたのを見計らって、窓の外から『飛行フライ』で中の様子を窺っていたキュルケはその場を飛び去った。
「そりゃまあ、ルイズが傷心中なのは知ってるから、あれだけなら別にいいわよ。
あれだけだったら」
そのままぐるりと塔を周り、壁を飛び越え、少しばかり剥むくれながら塔の真裏、自分の部屋の窓から中に飛び込む。
「でも、タバサと一緒にお風呂にまで入っておいて、その夜の内に違う女の子のベッドで平然と眠れるだなんて、どういう神経してるのかしら」
ついでに言えば、あたしを無視して。
あたしを無視して。二度言った。
キュルケは、夕食にもお風呂にも姿を見せないタバサを心配して、部屋の外から様子を窺っていたのだった。
見た感じが何やらいい雰囲気だったため、声を掛けそびれたとも言うが。
あと、先ほどの台詞はキュルケの言えた義理ではないような気もするが、親友のこととなれば話は別らしい。
「さて、どうしたものかしらね。
タバサの応援をしたいような、ルイズも放っておけないような……」
困ったわねぇ、とベッドに寝転んで呟くキュルケ。
求愛を無視され続けて揺らいでいる自分のプライドは、この際無視するようだ。
滅多に自己主張をしない友人が、珍しく楽しそうにしているのを昼間に見たせいかもしれない。
「とりあえずは、あの二人以外がサイトに近付かないようにしないといけないわね。
陰謀は苦手なんだけど、少し作戦練ろうかしら」
彼女の情熱は今、自分の『恋』から、他人の『色恋沙汰』へとシフトしているようだった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ