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fate/vacant zero
日常の定義
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い」


「……ほんとにヘンね。どうしちゃったのかしらダーリン」

「そんなのわたしが聞きたいわよ……とりあえず。サイト?」


「はいでしゅ」

「『でしゅ』は禁止。あと、その卑屈な態度なんとかしなさい。いいわね?」

「ハイ」


 そう仰せでありますなら、喜んで。



「それにしても、タバサ遅いわねぇ。まだ眠ってるのかしら……?
 もう食事始まっちゃうわよ」



 ……なぬ?








 その辺りでようやく正気に戻ったんだっけ。


 とりあえず、朝からのあの豪華さは、粗食に慣れてた俺にはちょっと重い。

 あのサラダはやっぱおやっさんのが最高だったけどな。



「同意」


 うんうん。

 それから部屋の掃除と服の洗濯を済ませて、いつものようにこうして寮塔前のアウストリの広場で、ルイズの豹変っぷりについて考えてるんだが……、服……。



 ああ、服、どうしようか。

 夏の間はこの半袖パーカーでもいいとして、冬を越せるかどうかが怪しいんだけど。



「ごめんなさい」


 いや、タバサは治療してくれたんだし、必要なことだったんだろ?



「(こくり)」


 なら、気にすることなんか無いって。









 ……ん?



「タバサ、いつからそこに?」

「ようやく正気に、の辺り」


 なんか、いつの間にやらタバサが隣に座って本を読んでいた。



「もう体は大丈夫なのか?」

「平気。もう充分」


 平気ね。

 大丈夫、と言わない辺りが不安なんだが。



「そんなことはない」


 そうか。



 ところでタバサ?



「?」


 首を傾げるのは結構なんだがな。



 もう、二限目に入ってるぞ?



「知ってる。さっき窓から見た」


 そうか。


 って待て。



「授業でなくていいのか?」

「今から行っても、中途半端」


 だから行かない、っていいのかそんな適当で?



「いい」


 そうか?


「そう」


 そうか……。



「ならさ、今からちょっと俺に、文字を教えてくれないか?」


 こくりと頷いてくれた。ぃよし。



「でも、どうして?」


 首をかしげて、タバサが訊ねてくる。

 や、どうしてって言われてもな。



「アルビオンでも言ったけど、俺ってこっちの文字読めないからさ。
 本が読めないんだよ」



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