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fate/vacant zero
日常の定義
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どに。


 何かの罠か。





 うん、テンパって無い頭で考えると……、これって、アルビオンでワルドから助けたことに対してのお礼……なんだろうかなぁ?

 そうだとしても、ルイズは俺が助けに行ったなんて覚えてないような気がするんだけど。


 俺が行った時は気絶してたし、実際に守ったのはタバサ(の姿をした人形を使ったシェルンノス)だから、そういうのの鉾先が向くとしたら俺じゃなくタバサなんじゃ……いかん、わからん。



『だーかーらー』


 やかましいぞ絶望派おれ。




 いや、違う。

 ルイズはあのアルビオン行きで、確かに何かが変わったのだ。


 きっと……、傷つき、斃たおれ逝ゆく人たちを見て、心に優しい気持ちが芽生えたんだろう。

 そうに違いない。


 そうでなければ、俺みたいな野獣に優しくなんてしないだろうから。

 歴史上の人物、ローマのカエサルも言っていた。



 自分と敵対した者でも降伏すれば許す、と。



 言ってはなかったっけ。

 あれはなんと呼ばれてたっけか……、そうだ、『寛容』だ。



 これだ。





 んなこたぁないだろ、俺。

 許したからって、評価が向上するわけでもないだろうに。




 そこまで想像をめぐらして、生暖かい目でルイズを見つめる。


 優しくなったネ、ルイズ。

 うん、一段と女の子らしくなったヨ。


 なんだか、とってもキミが眩しいヨ……。

 野獣認定真っ最中のこんな俺にまで優しくしてくれるなんて、キミはどんどん成長してるんだネ……。



「ねぇ、ルイズ」


 うん。そんなキミを、ボクはちゃんと見守るヨ。



「なによ?」


 キミの使い魔として、物理的にも。



「なんか、ダーリン変じゃない?」


 もう、二度とひん剥いたりしないヨ。



「……やっぱりキュルケもそう思う?」


 いつか帰るその日まで、キミを守るヨ……。



「ええ。とりあえず目が変ね」

「そうね、目が変よね。あと、言葉遣いも変になってたわ。
 どうすればいいと思う?」


 ボクのこと、スキでもなんでもないキミでも、優しくなってくれて嬉しいヨ……。



「とりあえず、直接言ってみたら?」

「そうね、話しかけるのもちょっと躊躇いたくなるけど。
 ちょ、ちょっと、なにヘンな目で見てるのよ?」


 ルイズに話しかけられ、自分が相当気持ち悪い目になっていたことに気付いて焦った俺は、とりあえず顔を背けた。



「き、キモくてごめんなしゃ
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