日常の定義
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してると、いつぞやのかぜっぴき……、マリコロネだっけ?
が近寄ってきて、文句を言い出した。
「おい、ルイズ。そこは僕の席だぞ。使い魔を座らせるなんて、どういう了見だ」
「座るところが無いなら、椅子を持ってくればいいじゃないの」
ルイズが、きっとマリコロネを睨んだ。
「ふざけるな!
平民の使い魔を座らせて、僕が椅子を取りに行く? そんな法はないぞ!
おい使い魔、どけ! そこは僕の席だ。
そして、ここは貴族の食卓だ!」
そうマリコロネは告げると、襟首を掴んできた。
……あー。
多分、一昨日にワルドの馬鹿野郎とやりあった感覚が残ってたんだろうなぁ。
俺は反射的に手を払って立ち上がると、マリコロネの首筋に、デルフの刃をぴったりと添えていた。
「ヒッ……」
「……ぁ、わりい」
完璧にうっかりだ。
デルフを背負いなおすと、マリコロネ――あ、思い出したマリコルヌか――の肩を叩いて、力なく微笑んだ。
「なあ、ぽっちゃり。さっきなんか言ったか?」
ぶんぶんぶん、と脅えた様子でマリコルヌは千切れるんじゃないかってくらい勢いよく首を横に振る。
なんでこんなに脅えてんのかね。
なんて思った自分がちょっと怖い。
今は反省している。
「言った、けど、いい。
なんでもない、ません」
「ありません、じゃね?」
「ありません、です。はい」
「うん、よし。ほら、椅子とってこいって。
メシは仲良く食おうぜ」
そう言ってにっこり笑うと、マリコルヌは椅子を取りに行くため、素晴らしい速さで駆けていった。
うん、ワルドの獅鷲グリフォンにも勝てそうなくらいにすっとんでったなぁ。
そう思いながら座りなおした。
ちょうど、キュルケが大欠伸しながら食堂に入ってくるのが見えた。
流石に剣デルフ抜いたのは拙かったよなぁ……。
あの時は気にしなかったけど、なんか食堂中が静まり返ってたし。
キュルケは珍しいことに、ルイズの隣に座った。
さらに珍しいことに、ルイズはそのことに何も言わず、すました顔で祈りの時間を待っている。
はて、本当に今日のルイズはどうしたんだろう。
キュルケはなんとなく分かるんだけどな、シルフィードの上での様子を見る限りだと。
しかし、ルイズの方は謎だ。
いったいどういう心境の変化なんだか。
なんだって今日のルイズはこんなに優しいんだ。
いっそ不気味なほ
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