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fate/vacant zero
日常の定義
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俺はどうかしていたんだろう。

 言われた通りにルイズに背を向け、しばらくの間イカレた頭でルイズに何があったかを考えた。




 確かにアルビオンでは色々あったんだ。


 婚約者だと思ってたヤツは裏切り者。

 幼馴染のお姫さまの恋人は死地に出向いた。

 そしてルイズ自身、死ぬような目に――フラッシュバックしかけたので回想を遮断。



 ともかく色々あったあの事件が、ルイズを変えたのかもしれない、と思った。

 思ったんだが、直接的な原因がまったく思い浮かばない。


 何がルイズを変えたんだろうか。


 俺は、自分がルイズに好かれるようなことをした覚えはない。

 それどころか、あの旅の間はずっと、ルイズから避けられていたような気さえする。


 となると、これはなんだろう?

 好意的なものでないことは間違いなさそうなんだが。



 ――あ。



 ふと、旅に出る前夜のこと、お姫さまがこの部屋を訪れた時のことを思い出した。


 そうでした。

 確か俺、あの時にルイズをキャミソール姿にまで無許可で剥いた気がする。

 アレか、アレのせいなのか。


 ああ、だから着替えを手伝わせなくなったんだな。

 ああ、ああ、それで俺は旅の間中、ずっと避けられてたんだな。


 自業自得じゃねえか。ばっかでぇ。



 ああもう、あんなことしなけりゃよかった。

 そうすりゃ、タバサに迷惑かけることも無かったろうに。


 俺の馬鹿。


 要するに、ルイズは俺に襲われたくないんだな。


 いや、当たり前だけど。

 つまり、好きじゃないんだ。


 これも当たり前か。

 当たり前なんだが、なんでか悲しいのはなんでだ。



 一縷いちるの望みか?


 ないない。

 あるはずない。


 俺はルイズに好かれてなんかない。


 ただの使い魔。

 もとい、今では危険な使い魔。


 夜中に狼に化ける、いけない使い魔。



 きっとそう思われてる。

 心の壁がある。





 ……って感じに思考が走っていったんだっけか。


 どう考えても、これって変な話だよな。

 旅の終わった後でひん剥いたんならともかく、旅の始まる前のことだぞ?


 なんで今になって、こんな恥ずかしがってるんだ。

 だいたい、出かける日の朝は普段どおりに着替えさせた覚えがあるぞ?

 もしそれが原因なら、あの日の内から避けてくるだろうに。



『それ、錯覚だから。
 その証拠に、ワルドが現れてからは一度も俺
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