日常の定義
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理からぬことだと思う。
ルイズは拗すねたように口を尖らせて、そっぽを向いた。
なんか頬が赤くなってる。
「自分で洗うから、いいの。ほっといて」
そういうとルイズは自分の手を洗面器に入れて水を掬すくうと、顔をつけて。
ぶるぶるぶるっと、顔を思いっきり振った。
わりと派手に水が飛び散り、拭き仕事が増えた気がする。
まあとりあえず。
「お前、顔を動かして顔を洗うタイプだったのか」
ぴたっとルイズの動きが止まった。
手から顔を上げ、赤く染まった顔でわめく。
「い、いいじゃないのよ!」
「や、いいけど」
調子狂うなぁ、とその間にすっかり慣れてしまった手つきで着替えを用意して、下着をベッドの傍に置いておく。
こうやってから後ろを向くと、いつも通りにもぞもぞと衣擦れの音が聞こえだす。
下着だけは、さすがに毎回自分でつけるルイズであった。
そうして衣擦れの音が3秒ほど続けて聞こえなくなったら振り返り、服を着せる。
これがいつもの方法だった、んだが。
今朝のルイズは、本当に妙だった。
衣擦れの音が途絶えて、1・2・3。
手にルイズの制服を掴んで振り向く。
するとそこには、下着姿のルイズが――
いなかった。
「服、置いといて」
何でか知らないが、ルイズは口元から下をシーツに包くるんで、そうのたまっていらっしゃる。
いつもなら、『早く着せなさいよ、グズ』とか罵声ばせいが飛んでくるんだが。
何やら、恥ずかしがっているように見えるのは俺の幻覚か。
使い魔に見られてもなんともないんじゃなかったか。
「着せなくていいのかよ?」
「置いといていってるじゃないの!」
と怒鳴って再びシーツに顔半分を埋めるルイズは、う〜〜〜と唸うなりながら俺を睨んでいる。
不審に思いながらも、ルイズの傍に制服を置いてやる。
すると今度は、
「向こうむいてて」
とおっしゃった。
「え?」
「向こうむいてなさいって言ってるの」
着替えるところを見られるのがイヤらしい。
マジで恥ずかしがっている。
こいつ、おかしくなったんじゃねえの?
なんて考えてた俺は、今から考えると相当おかしくなっていたと思う。
これまでがこれまでだったから忘れがちになってたけど、女の子ってフツーこうなんだよな。
今までが異常だっただけで。
ともかく、その時の
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