第十四話 安らぎの時間と憧れ
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ーキを一口分にフォークでカットして口に運ぶと、疲れたエールの体が糖分の侵入に気付いて体をプルプル震わせた。
「うーん、やっぱり疲れた時はここのケーキよね」
「お前は本当にここのケーキ好きだな」
「女の子にとって甘い物はエネルギー源なの!!」
ジルウェは苦笑すると、自分のケーキのチーズケーキを差し出してそれをエールは喜んで受け取った…ヴァンや他の運び屋の仲間がこれが見ていたらまた甘やかしてると見られるだろう。
どうも自分は他の運び屋のメンバーで特にエールを甘やかしてしまう。
「(まあ、それでエールが笑えるのなら悪くないよな)」
「このチーズケーキも美味しい!!」
コーヒーを啜りながら目の前で美味しそうにケーキを頬張るエールを見て、ある意味これも自分の幸せなのだと思う。
「(ヴァンに感謝だな)」
あの時、エリアDでのイレギュラー襲撃事件の際にヴァンが駆けつけてくれなければ、恐らく自分は生きてはいなかった。
エールを助けるために自分の命を繋いでくれていたモデルZを託そうとしていたのだ。
だからこそ、こうやって戦えなくなってもエールを身近で見守ることが出来る現在に感謝していた。
「どうしたのジルウェ?アタシの顔をジッと見て?」
「いや、な…こうしていると、当たり前のことが幸せに感じられるんだって思っただけさ」
「そっか」
どことなく良い雰囲気を漂わせるが、それを木っ端微塵にする明るい声が響き渡った。
「よっ!エール!ジルウェさん!」
「「ん?」」
聞き覚えのある声に振り返ると、ジルウェにとって後輩、エールにとって同僚のシュウがいた。
「シュウじゃないか?」
「何?サボリ?」
「あの、エールさん。俺が現れる=サボリみたいに考えるの止めてくれないか?」
「そう思うなら、仕事をサボるの止めたら?」
シュウの言葉を一蹴するエール。
「ちぇっ、まあいいや」
「いや、俺としては全然良くないんだけどな?」
ジルウェも時々サボるシュウに手を焼いているため、頭に手を置いて溜め息を吐いた。
「あのさ、エリアGでお前とヴァンに助けられたろ?ジルウェさんがやられそうになった時、ヴァンが現れてイレギュラーをあっさり倒していく姿を見てさ、思ったんだよ。ヒーローみたいだなって」
「ふーん、あんたでもそんな風に思うのねー。珍しいこともあるもんだわ」
「明日は嵐…いや、隕石が降るかもな。遥か昔の流星の再来になるかもしれないな」
「エールもだけど、ジルウェさんも酷くね?」
カフェオレとコーヒーを啜りながらの二人の感想にシュウは落ち込みそうになりながらも話を続けた。
「そう思うなら真面目に仕事をしなさいよ。そ
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