第百五十一話 自信を砕きその十二
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大艦隊を率いロードス島に向かった、その際ガレオン船の中で湖を見渡しつつ傍にいた芳直に尋ねた。
「ロードスまですぐだよな」
「ああ、もうそれこそだ」
「あっという間に着くな」
「二日でな」
「船だと本当に速いな」
「そしてそこからだ」
芳直は久志に話した。
「戦だ」
「そうなるな」
「そして向こうはもうな」
「戦の用意をしてか」
「待ち受けている」
「本当に徹底抗戦のつもりか」
「もうだが一般市民はな」
問題の彼等はというと。
「避難させていっている」
「俺達の使者の言葉を受けてか」
「それぞれの財産を持たせたうえでな」
「それはいいな、向こうも市民を巻き込むつもりはないか」
「その様だな」
「それならだ」
久志は芳直の話を聞いて言った。
「俺達もな」
「気兼ねなく戦えるな」
「いいことだ、本当にな」
「一般市民を盾にする様ならだな」
「正直厄介だったぜ」
「全くだな、少なくとも相手は外道ではない」
「市民を盾にする様なな」
そうしたことをする様なというのだ。
「奴じゃなかった」
「そのことは何よりだな」
「本当にな、じゃあな」
「ロードスの戦いはな」
「思う存分やるか」
「総攻撃を仕掛けるな」
「ああ、湖からも空からも攻めてな」
そうしてというのだ。
「そしてな」
「攻略するな」
「ああ、ここでな」
「ロード島を攻略して」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「地中湖をほぼ完全に手中に収めるな」
「正直な」
ここで久志は言った。
「ロードス島って何でもない様でな」
「実はな」
「ああ、あの島を抑えるとな」
「地中湖の制湖権をかなり手に入れられる」
「だからな」
「これを機に抑えるな」
「ああ、マルタにテュロス、キプロスは降ってる」
「なら後はな」
「あの島を手に入れたらな」
「地中湖東部は都市国家群の辺り以外は全て手に入るな」
その制湖権がというのだ。
「そうなるな」
「ならだな」
「ああ、絶対にな」
ここはというのだ。
「やってやるさ」
「では行くぞ」
「あの島にな」
久志は芳直に笑顔で応えた、難攻不落と言われたビザンチウムを手に入れてもすぐに次の戦いが待っていた、だが彼と仲間達は立ち止まることなく向かうのだった。
第百五十一話 完
2020・2・23
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