艦娘とスイーツと提督と・58
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ぱあんパンには牛乳ですねぇ!」
「……牛乳髭付いてるぞ」
「おっと」
俺に指摘されてジャージの袖で鼻の下を拭う長良。見た目は割と良いと思うんだけどなぁ……こういう仕草とかが何て言うかこう、男っぽくて残念なんだよな。
「そういえばあんパンと牛乳って、刑事ドラマとかだと張り込みの定番ですよね。何でなんでしょう?」
「昔はコンビニやら自販機なんて便利な物はその辺に無かったからな。手軽にその辺で買えて、見張っている場所から目を離さずに食えるのがあんパンと牛乳だった……らしいぞ」
最近の刑事ドラマだと、コンビニで買ってきたサンドイッチとかおにぎり、缶コーヒーを飲み食いしながら張り込みなんてシーンの方が多いからな。時代の流れって奴さ。
「ふぅ……お腹も一杯になったし、私は少し休憩しますね!」
そう言うや否や、長良は座っていた木陰の下でゴロリと横になる。そのまま軽く丸まるとすぅすぅと寝息を立て始めた。
「早っ……!つーか、鎮守府内とはいえ無防備過ぎんだろ。ったく」
俺は羽織っていた制服の上着を長良に掛けてやる。無邪気な寝顔で寝ちゃあいるが、こいつも色々と苦労してんだろうな。妹達は次々に改二になっていく中、1人だけ取り残されていくような感覚……そんな不安を相談されたと、明石から報告は貰っていた。本人はそんな不安を振り払うように、前にも増してトレーニングに打ち込むようになったらしいが。
「大丈夫だよ、長良。お前の妹達はお前の事大好きだからよ」
そう呟いて、煙草に火を点ける。煙を燻らしながら眠っている長良の頭を撫でる。すると前方の茂みがにわかにガサガサと喧しく音を立てる。
『ちょっとあのスケコマシ、お姉ちゃんにまで手ぇ出すつもり!?』
『提督さん……由良というものがありながら(ハイライトoff』
『ふあぁ……でもでも、いい雰囲気ですよぅ』
『いや〜マジパねぇわ提督、マジパない』
ほらな、心配性の妹がくっついてきてら。
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