後編
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ったのか?)
そう考えながらふと気づくと、みんなが複雑な表情を浮かべ、距離を置いてこっちを見ている。
俺は笑顔を硬直させた。
「えっ? あれ? ・・・な、何があったのかな・・・」
目の前の誰一人、返事をしない。俺は急に不安になってきた。
「なんだよー。なんか言ってくれよ。俺、どうしてたんだ?」
気になって、俺は大げさに身振りをしながらみんなに訴えた。
「どうやら正気にもどったようだな。」
軽くため息をつくと相棒がそう言った。
【先輩は、赤いロボットみたいなシャドウの攻撃を受けて、その後しばらくおかしくなってたの。】
りせ の声がした。
「え・・・おかしくって、どういうこと?」
俺は状況を理解できずに重ねて聞く。
「急に短刀を口にくわえて、四つん這いで敵と戦い始めたんすよ。」と完二が説明する。
「いや、その動きの素早いこと。ほんとに凄かったんすけっどね。ちょっと人間離れしてたっつーか。・・・はっきり言って引いたっす。」
「しかも、その後、花村君が呼び出したペルソナは頭が3つある犬だったの。」
天城がさらに後を続ける。
「あれはケルベロスだな。」と相棒が言った。「しかし陽介に、なぜあんなペルソナが出たんだろう。」
えーと、それってもしかして・・・コロマル?
俺がコロマルの体に入ってたのが夢じゃなかったとしたら、もしかしてその間、コロマルが俺の体に入ってたの?
【花村先輩の大活躍で、見事に巨大ロボットは倒せたんだけど・・・その後も先輩、四つん這いで『わんわん』言ってて、すっかり犬だった。】
りせ が言いにくそうに続けた。
「四つん這いで、舌出してハアハア言ってって・・・やたらじゃれついて来るし・・・見ててホントに情けなかったんだけどね。」
その後、里中が厳しい表情で語る。
「挙句の果てに、つい今しがた・・・みんなの見ている前で・・・そこの柱のところで・・・四つん這いのまま片足を上げて・・・」
えっ・・・なにそれ・・・まさか・・・
里中の指さす柱を見ると、その根本がびっしょり濡れている。
俺は血の気が引いて、頭を抱えた。
相棒が俺の肩にポンと手を載せた。
「うっそーん」
俺は無性に遠吠えをしたくなった。
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