中編
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
っていたとのことであります。」
アイギスさんがさらに説明を続ける。
「タルタロスでか?」桐条さんが訊き返す。
「いえ、テレビの中だそうです。」
再び沈黙。
「なんだあ、それ?」伊織が声を上げた。
「正気の沙汰じゃないな。意味がさっぱり分からない。とても正常とは思えない。」
あきれたように真田も言った。
「おいおい、大丈夫か?コロマル、昨日のショックでおかしくなっちまってねーか?」
伊織が軽い調子で声をかけてきた。
しかし実はその会話の間、俺は岳羽さんの太腿に釘付けになっていた。足を組み替えるしぐさにもドキドキする。もう少し姿勢を低くすれば、スカートの中が・・・
「ちょっ!」
突然、岳羽さんがスカートを押さえて叫んだ。
「どした、ゆかりっち?」
「なんかコロマルがスカートの中を覗き込んでて・・・気持ち悪い。」
やべっ、気づかれた。
俺は焦って視線をはずした。じっと睨みつけてくる岳羽さんの視線に冷や汗を浮かべる。犬だから言い訳もをすることもできない。
しょうがねーだろ。年頃の男子高校生がこのアングルで太腿見せられたら、誰だって釘付けになるだろ。そうだろ、相棒!
「ほ、ほう。犬という立場を利用してスカートの覗き見とは・・・。なかなかやるじゃないの。うらやましいなーこのこの。」
伊織が能天気に茶化してきた。うるせー、だまってろ!
「ばっかじゃないの」岳羽さんが冷たく毒づく。「・・・てか、ばっかじゃないの。」
「2回言うな!」伊織が声を張り上げた。
岳羽さんは叫ぶ伊織の相手をせずに、桐条さんに向き直った。
「せんぱーい、これ、ほんとにコロマルじゃないんじゃないですかねー。なんだかいつもの可愛いコロマルに比べて、ガッカリ感が強いんですけど・・・」
うわあ、またガッカリって言われた。俺ってやつは犬と比べてもガッカリされちまうのか。
さすがにヘコんでしゅんとなる。
「ま、まあ、落ち着け。とりあえず今夜はタルタロスに行ってみようじゃないか。そこで何かわかるかもしれないし、だめならもう少し詳しく調べる方法を考えるとしよう。」
桐条さんが取りなしてくれる。
「そうですね。犬の足ではパソコンのキーボードを使ってもらうのとかは無理かもしれないけど、ひらがなとかローマ字のカードを使えば、どこの誰なのか、名前とか確認することもできるかもしれません。私、少し考えてみます。」
山岸という大人しそうな女の子がそう提案する。こんなおしとやかで真面目そうな感じの子が、あんな破滅的な料理を作るんだからなー。本当に見た目だけでは何も信じられない。
しかし、それにしてもここの女性陣は美人揃いだ。まあ、俺らの仲間の女子も顔だけなら負けてないけど・・・
「それじゃあ、そういうことで、今夜は全員でタルタロスに行きましょう。」
リーダーの男が話をま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ