中編
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
・っていうかテレビの中じゃなかったらどこにいるんだよ。』
聞けば聞くほどわからなくなる。
「タルタロスにいるであります。」
『何それ』
「影時間だけに現れる塔であります。」
『わけわかんねーよ。』
それから繰り返し質問して聞き取ったアイギスさんの説明をまとめると、夜中12時から1時間、普通の人間には感知できない時間があって、その時間にタルタロスという謎の塔が出現するらしい。
その塔はシャドウの巣で、この寮の住人はシャドウと戦いながらタルタロスの探索を行っているということだ。
突拍子の無い話だが、俺たちの事件も突拍子の無さでは負けていない。シャドウが絡んでいるというだけで、常識では判断できない事態であることは間違いないのだ。
彼らの言うシャドウが、俺の知っているシャドウと同じなのかは分からないが、聞いた話ではかなり似た雰囲気の怪物のようだ。
俺たち以外にシャドウと戦っているやつらがいたとは驚きだ。しかし、テレビの中で戦っているわけではないらしい。もしかすると、俺がこんなことになったのも、そのタルタロスが関係しているのではないか?
同じようにシャドウが徘徊する別の場所で、シャドウの攻撃で気を失った俺とコロマル。
共通点といえば共通点と言える。この事態解決の糸口はタルタロスにあるのかもしれない。
『君らは何の目的でタルタロスの探索を?』
「目的はシャドウを殲滅し、人類を脅威から救うことであります。」
『なんだって?』俺は驚きの声を上げた。
「こら、吠えるな。」
叱る声とともに、先ほどの男が戻ってきた。
ものすごくいい匂いをさせている。俺は思わず口から舌を出してよだれを垂らした。
「ほらよ。これなら犬でも食えるだろ。」
目の前に皿が置かれる。
(おおっ!)
皿に盛られていたのは、肉と野菜の「まぜごはん」的なものだった。空腹に耐えきれず、いきなりかぶりつく。
うまーい!!!
とてつもなく旨かった。何で味付けしたのかはよくわからなかったが上品な味だ。ともかく俺は空腹を満たすため、がつがつと食いまくった。
俺のがっつく姿を見ながら「どう見ても犬じゃねーか。」と男が言う。
反論したいが、食べるのをやめられない。こんな見事な料理をこの男が作るなんて、ホントに世の中はわからない。
ようやくひとごこちついてから、『ごちそうさん。めちゃくちゃ旨かったよ。』と礼を言う。
「大変おいしかったそうです。」アイギスさんが通訳した。
「そりゃー良かった。まあ、犬だっていつもおんなじドッグフードじゃあきるよな。」
男が口元に嬉しそうな笑みを浮かべた。
どう説明すれば自分が人間・・・元人間だと信じてもらえるだろう。固有名詞は伝わらない上に、アイギスさんの若干的外れな通訳では何を言っても理解してもらえないような気がする。
『俺もそのタ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ