【なりたい自分】
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「ネジおじさん、あのね、わたし昨日アカデミーの忍者一日体験してきたの!」
「ほう、そうか。……それで、どうだったんだ?」
自宅を訪問しわざわざ報告しに来てくれた従姪のヒマワリに穏やかな笑みを見せるネジ。
「うん、楽しかった! エホウくんって男の子と、ユイナちゃんって女の子と一緒に忍者体験したんだけどね、みんなで一匹の猫を探す任務の達成を目指してがんばって成功した時、とってもうれしかったの!」
「そうか、楽しかった……か。良かったじゃないか。(……俺のアカデミー時代では、考えられない事だな)」
笑顔で話すヒマワリを、ネジは眩しそうに見つめる。
「わたし、忍者になりたくてアカデミー体験したわけじゃないけど……エホウくんとユイナちゃんは忍者を目指してるんだって。それで、エホウくんに……何も決めてないお前に負けるわけにはいかないとか、忍になると決めてもないお前と一緒に任務なんか出来ないとか言われちゃって」
「…………」
先程まで笑顔で話していたが、段々と俯き加減になって語調も弱まるヒマワリに対しネジは、次の言葉を黙って待つ。
「わたし、何も考えてこなかったんだなって……この先どうするか決めなきゃいけないんだって思ったら、エホウくんとユイナちゃんみたいに忍になればいいのかなって考えたんだけど……イルカ校長先生がね、言ってくれたの。『自分がどの道に進めばいいか迷ったり不安になったりするのは当然のことなんだ』って。『考えるきっかけを与えるための体験会だから何も決めてなくていい』って」
「そうか……」
「それでね、わたし……諦めないで三人でちゃんと協力して任務を成功させたの。一度二人と離れちゃったんだけど、集中して二人を探してたらいつの間にかすごく目の前が広がって透けて見えて、古くて枯れてる井戸の中に落ちちゃってた二人と猫を見つけることが出来たんだよ!」
「それは、まさか───(ヒマワリは自分の意思で、白眼を使えるようになってきたという事だろうか)」
これまでヒマワリは感情が昂ったり無意識の内に白眼を発動させていたようだったが、白眼を使用したらしい感覚が残っているという事は、そういう事なのではないかとネジは思う。
「ヒマワリはやはり、日向一族の能力をしっかり受け継いでいるようだな」
「日向一族の能力って……、ネジおじさんやハナビお姉ちゃん、お母さんにヒアシおじいちゃんの白眼のことだよね?」
「あぁ……とても広い視界、透視と望遠能力を持っている。経絡系を流れるチャクラも見る事が出来、その流れを止める事も可能なんだ」
「けいらくけい……?」
「ツボの筋道、と言うかな。とにかく───いいかいヒマワリ、まだ自在に使いこなせている訳ではないとはいえ無闇に白眼
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