暁 〜小説投稿サイト〜
ペルソナ3 転生したら犬(コロマル)だった件
前編
[5/5]

[9] 最初 [1]後書き [2]次話
・』
俺はそこまで言って、ふいに違和感を感じた。
『あれ? もしかして・・・俺達、今、会話してない?』
「会話はコミュニケーションの基本であります。」
俺の問いかけに少女が答えた。
答えは的外れなものの、やはり会話が成り立っている。
『それはそうだけど・・・俺、犬だよね。』
「犬であります。」
『普通、人間は犬と会話できないよね。』
「人間にはできないであります。」
『それ・・・おかしいよね。君は人間でしょ。』
俺はたたみかけた。
「私は特別制圧兵装であります。そして、オプションとして動物と意思疎通する機能も備わっているであります。」

???????

『機能?・・・なんだか全然わかんないんだけど・・・俺の言葉が理解できるわけだよね?』
「言葉・・・というか、正確に言うと、意思をくみ取ることができるであります。」
まあ、なんでもいいが、とりあえずこちらの意思が伝えられるだけで充分だ。
『実は、俺は犬じゃなくて人間なんだよ。』
俺はわらをもつかむ気持ちで必死に訴えた。
「もうしわけありませんが、私の認識では犬にしか見えません。」
『体は犬だけど、心は人間なの! 』
「見た目は子供、頭脳は大人・・・みたいなものでしょうか?」
『そう、それ! 俺の名前はコロマルとかじゃなくて花村陽介っていうの。わかる?』
「すみません。相手の意思をくみ取っているだけなので、さすがに固有名詞は伝わらないであります。」
ええと・・・つまり人間という概念は伝わっても、花村陽介という名前は伝わらないということか。まあ、意思が伝わるだけでもすごいけどね。それって、どういう力だろう。・・・超能力か?
さっき「機能」って言ってたから、もっと何か機械的な物なのかもしれない。
『そっかー。まあ、いろいろ言いたいことあるし、聞きたいことも山ほどあるんだけど・・・』
俺はそこで少しためらった。
しかし、どうせこっちは犬だ。おまけにそろそろ限界。非常事態だ。いくら金髪美少女相手でも、言わないわけにはいかない。
『あー、それで・・・その・・・実はトイレに行きたくて・・・どこに行ったらいいのかな?』
「コロマルさんのトイレはあそこです。」
俺の問いかけに、すかさず少女が指さす。
示された犬用トイレをしばらく見つめて・・・俺は泣きたくなった。
『あのさー・・・しばらくこっちを見ないでいてくれるかな?』


[9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ