前編
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ドアを抜けると、真っ赤な巨大ロボットが待ち構えていた。
巨大と言っても3m足らずだろうが、生身で対すると圧倒されるほどでかい。それに加えて、この圧倒の巨兵は、笑えるほどテレビアニメのヒーローロボっぽかった。ご丁寧にも両肩に『正』『義』と一文字ずつ入っているのがさらに笑える。
「またロボットかよ! しかもわざわざ『正義』とか書いてあるし・・・直斗のやつ、よっぽどこういうのにあこがれてたんだな。」
ついいつもの調子で軽口をたたいてしまう。
【強力な敵だよ。注意して!】りせ が警告してきた。
おっといけねー。
俺は気を引き締めなおした。笑っている場合ではない。
「ようし、行くぜ相棒!」
俺はそう声をかけて、足を踏み出した。
そこは特撮番組に出てくる秘密基地のような建物だった。
白鐘直斗の内面世界ともいうべき「秘密結社改造ラボ」。普段の大人びた言動とはほど遠い「子供っぽさ」に驚かされる。しかし、このテレビの中の世界では、人が隠していた内面がひどく歪んで誇張される。天城や完二や りせ の時もひどいもんだったから、まあこのくらいなら可愛いもんだろう。本人もきっと赤面する思いだろうから、このことについては何も言わないでおいてやろう。
「ジライヤ!」
俺はペルソナを呼び出して疾風攻撃をしかけた。しかし、さしてダメージを与えられない。
相棒が火炎攻撃、里中が物理攻撃、完二が電撃攻撃を放つ。
だが巨大ロボはびくともせず、逆に強力な物理攻撃を返してくる。
「チッ、しぶてぇ!」
俺は敵の攻撃を軽やかにかわして言った。フットワークには自信がある。そう簡単には攻撃を受けはしない。
「少しずつ削っていくしかない。やつの反撃に気を付けろ。」相棒が返してきた。
「わーってるよ。」
俺はそう応えると、再度 ペルソナを呼び出す。
敵は時折、動きを止めて力をチャージし、その後に強烈な攻撃を放ってくる。まともに食らえば一撃で再起不能になりそうな必殺攻撃だ。
こちらも有効なダメージを与えられないまま、しばらく戦闘が続いていたが、ついに敵の反撃を受けて完二が倒れこんでしまった。
さらに次の攻撃に備えて巨大ロボが力をチャージする。
「あぶねー!完二、早く起きろ。」俺は慌てて叫んだ。
敵の強烈な攻撃が襲いかかって来る。危うく完二が転がって避ける。俺も自慢のフットワークでかわそうとしたが、そこで何かに足を取られた。
「あ?」
倒れた完二の手から離れた盾が、俺の足元まで飛んできていたのだ。
「うそーん!!」
バランスを崩してよろける。そこの襲いかかってくる必殺の一撃。
「ぐああっ!」
俺は全身に強い衝撃をくらって吹っ飛んだ。目の前が真っ暗になり、そして俺は意識を失った。
気が付くと床に寝ていた。
体を起こそうとしたがうまく立ち上がれず、手を
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