第五十八話 入学前のその十三
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それで、です。お母さんにも言いました。
「なかったわ」
「じゃあね」
「恋愛もなの」
「経験したらいいわ」
「それでその人と」
私はすぐにそこから言いました。
「結婚してよね」
「そこまで言うの?」
「駄目かしら」
「そこまですぐにいくのは」
お母さんは私にどうかというお顔で言いました。
「ちょっとね」
「駄目なの」
「だって恋愛イコール結婚って」
「ないの」
「今時珍しい考えでしょ」
「そうかしら。好き同士だから」
私の考えならです。
「もうね」
「結婚だっていうのね」
「私一人の人としかお付き合いしたくないから」
「今時珍しい考えね」
「そうかしら」
「結婚してからは一人だけにしても」
お母さんは私に少し呆れながら言いました。
「それまではね」
「何人かの人となの」
「別れたりもするし」
「失恋とか」
「そうしたことも経験してね」
そうしてというのです。
「色々学んでいくのよ」
「人生を?」
「そう、だからね」
それでというのです。
「恋愛も色々したらいいのよ」
「そうなの」
「浮気は駄目だけれどね」
「私浮気はしないから」
「千里は絶対にしないわね」
お母さんもこのことはわかってくれていました、私はそうしたことは経験がなくても何があっても駄目です。
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