第二章
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「危ないよ」
「手加減してもか」
「前うんと手加減したよね」
「当たり前だ、柔道の技は本来畳の上でするものだ」
明光院もこのことはと答えた。
「絶対にな」
「わかってるんだね」
「だから俺もだ」
「うんと手加減してなんだ」
「あの時は背負い投げを浴びせた」
常磐に対してそうしたというのだ。
「本当にな」
「だから手加減してもね」
「駄目か」
「当身ならともかく」
「柔道にはそうした技もあったのよね」
オーラはウールのその技の名前を聞いて言ってきた。
「今は正式な技じゃないのよね」
「昔はあったらしいよ」
「別に投げる技じゃないのね」
「うん、だから別にコンクリートの上で使っても」
柔道の他の技と違ってというのだ。
「問題ないよ」
「それじゃあ」
「その技を使えばね」
明光院もというのだ。
「問題ないよ」
「当身は俺も知っている」
明光院はウールのそのワを聞いて述べた。
「ならだ」
「その技を使ってだね」
「この馬鹿の目を覚ましてやる」
常磐のそれをというのだ。
「本当にな」
「そうしてね」
「わかった」
「俺はどっちにしても技を仕掛けられるんだ」
常磐は二人のやり取りを聞いて困った顔になって述べた。
「それは困るんだけれど」
「それじゃあ王様になるとか言わなければいいのよ」
オーラの返事は極めて冷静なものだった。
「最初から」
「そう言うんだ」
「王様になるとか夢があるけれど」
オーラもこのことは認めた。
「それでもね」
「オーラも馬鹿みたいっていうんだ」
「まだ王様になって当然とか邪魔をする人は皆殺しとか言わないからいいけれど」
「そんなことする奴は王様に向いてないよ」
常磐はこのことは絶対だと言い切った。
「最初からね」
「そうなのね」
「うん、王様になることは」
このことはというのだ。
「また違うよ」
「じゃあどう違うのかしら」
「それは暴君じゃない」
今オーラが言った様な王様はというのだ。
「そんな人は王様になったらいけないよ」
「暴君は駄目なのね」
「絶対にね、それとね」
「それと?」
「俺はね」
常磐はオーラだけでなく他の面々にも話した、今彼等は常磐の家でもあり常磐時計店に向かっている。そこが彼等とウォズの溜まり場になっているのだ。明光院達は常磐の友人であり自然とそこに集まる様になりウォズは持っている時計の修理を頼んでからのことだ。
「暴君には絶対にならないから」
「いい王様、名君になるの」
「この世界を変えられる様なね」
「そうなるのね」
「人を、世の中を救える」
「そうした王様になのね」
「なるよ」
こうオーラに話すのだった。
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