第一章
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友達を見て
小此木和也は背は一六〇ない地毛の薄茶色の髪の毛を短くしている少年だ、小柄なだけでなく身体つきも弱々しく内気な性格だ。
その為通っている中学校では不良達に目をつけられいじめられている、それも暴力や恐喝等の悪質なものだ。
教師も他の生徒もおおっぴらにいじめられている彼を見ても何もしない、だがそんな中でも彼は生きていて。
最近は拾ってきた白い雄猫のワイルドと家でよく一緒にいる。母子家庭の家であるが家族が一人増えていた。
母の理恵はいじめのことは知らない、だが自分と同じ髪の毛の色を持っている息子に笑顔でこう言った。
「あんた最近明るいわね」
「そうかな」
「少しだけそうなった気がするわ」
食事の時に息子い話した。
「最近ね」
「母さんの気のせいじゃないかな」
「ワイルドが来てからよね」
ここで母は言った。
「だからだと思うわ」
「それでかな」
「ええ、それまでずっと暗かったけれど」
それも相当にだ、いじめのせいであることは言うまでもない。
「それがね」
「変わって」
「そしてね」
それでというのだ。
「今はね」
「少しだけなんだ」
「変わったと思うわ。お父さんが死んでね」
和也が中学に入学した時に仕事中の事故で命を落としている。
「それからずっとね」
「暗かったのが?」
「変わったわ」
「ワイルドを拾ったのはたまたまだけれど」
「それでもね」
今はというのだ。
「そうなってるわ」
「そうなんだね」
「もっと明るくなれるかしら」
母はこうも言った、やや皺があるが整っている顔だ。
「今よりもね」
「無理だと思うよ」
息子は母に答えた。
「それは」
「そうかしら」
「うん、それはね」
いじめられていてしかも学校に友達がいないせいだとは言わなかった。
「確かに家に帰ったらワイルドがいるから」
「その分楽しいわね」
「ワイルドに色々と話してね」
それでというのだ。
「そうなってるけれどね」
「その分明るくなのね」
「けれどそれ以上はね」
無理だとだ、和也は母に言った。実際に彼はワイルドと一緒にいる時以外は明るくはなかった。だが。
家にいた時にワイルドを探しているとだった。
彼は家のテレビのある部屋にいた、そこでワイルドに声をかけようとすると。
ワイルドはテレビを観ていった。そしてだった。
テレビでは空手をやっていた、それを見てだった。
自分が空手を出来ればいじめられない、そう思ってだった。
彼は翌日通っている中学の空手部に入った、すると空手部の部長は彼に驚いている顔でこう言った。
「うちの部は厳しいぞ」
「全国区ですよね」
「ああ、確かに強くなるけれどな」
それでもとい
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