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必死に調べると
第二章

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「参ったな、どの家も部屋もな」
「ペット不可ね」
「借家ばかりでな」
「何処もそうよね」
「こうなったらな」
「コロの引き取り手探す?」
「そうするか、流石に捨てたり保健所に送ることはな」
 それはというと。
「したくないしな」
「コロは家族だから」
「絶対にな、何ならな」 
 もう引き取り手が見付からないならというのだ。
「うちの親父とお袋の家にな」
「引き取ってもらうのね」
「新発田のな」
 夫の実家もそこにあるのだ。
「猫がいるけれどな」
「それでもよね」
「親父もお袋も猫好きだしな」
「引き取ってもらうのね」
「そうしてもらうか」
 こう夫婦で話した、そしてだった。
 二人は子供達に事情を話すと中学生になっていた長男も幼稚園に入っていた次男も二人共だった。
 嫌そうな顔になってそれで両親に言った。
「コロと離れるんだ」
「そうなるの?」
「お祖父ちゃんの家に渡して」
「僕達一緒じゃいなくなるの」
「ああ、佐渡でペットを飼える家がなくてな」
 それでとだ、父は息子達に話した。
「それでな」
「別に捨てたり保健所に送ったりしないから」
 母は息子達のコロの命は大丈夫だと話した。
「そのことは安心してね」
「けれど一緒に暮らせないんだよね」
 次男はこのことを話した。
「寂しくなるよね」
「それはね」
 母も否定出来ずに言葉を濁した。
「やっぱりね」
「僕嫌だよ」
「俺だって嫌だよ」
 長男も言ってきた。
「やっぱり一緒に暮らしたいよ」
「そう言うと思っていた」 
 父は息子達の言葉に頷いて言った。
「それはそうだな」
「こっちには友達だっているしさ」
 長男は自分の事情も話した。
「別れるの嫌だし」
「それもあるな」
「何よりもコロと離れるとか」
 特にこのことがというのだ。
「嫌だよ」
「けれどな」
「仕方ないって言うんだ」
「ああ、お父さんの転勤だからな」
 それ故にというのだ。
「もう決まったことだからな」
「けれどコロと離れたくないよ」
 次男はまた言った。
「絶対に」
「そうだな、じゃあせめてもっと探してみるか」
 父は息子達の言葉が強いのを聞いて転勤と引っ越しまでまだ時間があることをよしとしてだった。そのうえで。
 ペット可の借家や部屋をもう一度探した、その結果。
「家も部屋もなかったけれどな」
「それでもなのね」
「県の管轄で職員の社宅があってな」
「そこになのね」
「単身赴任出来るんだ、それもかなり安く」
 妻にこのことを話した。
「だからな」
「あなただけが行くのね」
「ああ、それでどうだ」
 こう妻に話した。
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