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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第二十四話 大事件かも
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を受ける訳か。…大佐も嫌だろうな…。
「中々サマになってるじゃない」
「あ。司令部内務長」
「フフ、普段通り司内長でいいわよ。まるっきり一人になるのは初めてでしょ?」
「そうですね。訓練の時も今までも一人ではなくて、シェルビー大佐かイエイツ少佐のどちらかと一緒に立直でしたから。大尉はどうされたのです?何か御用ですか?」
「いえね、みんな退いてきたのに何も放送がないなと思って」
「…あ!……艦長、本隊は哨戒第三配備とします。各艦に伝達よろしくお願いします」
「了解した。いつ号令をかけるのかと内心クスクスだったよ。司内長、ありがとな」
「いえ、出来の悪い教え子ですからね。たまには見に来てあげないと」
カヴァッリ大尉、ありがとー!
「司内長、助かりました」
「いい事すると気分がいいわね。あとでジュース奢ってね」



3月15日19:40 ヴァンフリート星系、ヴァンフリートW、EFSF旗艦リオ・グランデ 
ヤマト・ウィンチェスター

 カヴァッリ大尉は、俺達と違う意味で士官学校では浮いた存在だった。彼女はリンチ少将の身内なのだ。義理の兄が逃亡を図って帝国軍に捕まったとなれば、嫌でも肩身は狭くなる。その上、軍隊は女々しい組織だ、噂話はすぐに広がる。身内というだけで白い目で見られる。公にそういう事は有ってはならないが、人が三人以上集まれば真実以外が付いて回る。
彼女が士官学校生だった頃の教官やら知人はほぼ転属かいなくなっていて、当時の教官で残っていたのはドーソン中佐だけだったという。
ドーソンなんて知人以上の関係にはなりたくないからな、彼女だって近づきたくもなかったろう。講義を持っている訳でもなかったから、学生の間では『近寄り難いショートの美人』って言われてたな……ん?艦長、何でしょう?
「参謀、報告が入った。帝国規格のコンテナを複数個、発見したそうだ。エネルギー反応、生体熱反応無し。駆逐艦が回収に向かっている」
「帝国規格のコンテナ…コンテナというと貨物コンテナですか?」
「そうらしい」

 帝国規格の貨物コンテナ?破壊された帝国艦から流れ出たのか?
「艦長、帝国の貨物コンテナを見つける、というのはよくある事なのですか?」
「よくある事だな。敵が艦ごと降伏した時じゃないか?爆散や轟沈ではなくて、機関部をやられて行動不能になった時だな。ビームやミサイルの破口から流出する事がある。百五十年も戦争していれば、とりたてて珍しい事でもないな」
「珍しい事ではない、という事は普段なら見過ごす、という事ですか?」
「そうだな。さっきのビーコン騒ぎと一緒さ。報告をあげたって事は生真面目な艦長なんだろう。アレコレ何処其処に行け、と言われない限り、艦隊哨戒なんて暇な任務だからな、やる事が無さすぎて回収しようという気になったのかも
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