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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第13節「大野兄弟とザババの少女」
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ら驚くな、こいつは……』

小指を立てて身を乗り出す九皐に、弦十郎は敢えて含みのある笑みを見せるのだった。

ff

秋桜祭当日、朝。

「じー……」
「……な、なんデスか調……? アタシの顔に何かついてるデスか?」
「切ちゃん……顔がこわばってる」
「そ、そんなこと……ッ! なくはないかもデスけど……」

都内、リディアン新校舎近辺。
切歌と調は地図を片手に、リディアンへと向かって歩いていた。

切歌の表情は調の言う通り、少し強ばっていた。

「マムの回復を待たずに出てきたこと、後悔してる?」
「……いえ、してないデスよ。だってこれは今、アタシ達がやらなきゃならないことデス」
「そうだね」

ナスターシャ教授は持病の発作が出たため、ウェル博士に治療を受けている。

同時に、F.I.S.から持ち出した聖遺物の欠片を失った今、次にネフィリムが目覚めた時の餌がもうないのも事実だ。

ここで動かなければ八方塞がり、これまでの苦労が全ておじゃんになってしまう。

「あの時、あいつ……アタシ達のペンダント見てたデス。このままだとネフィリムの餌にされるかもしれないデスッ!」
「それだけじゃないよ。ここでわたし達が奪取できなければ、マリアが出てくる事になる」
「それも絶対駄目デスッ! そんな事をすればいつマリアがフィーネに……」
「わかってる。だからこそ、わたし達は決めたんだ。何としてでも、あの装者達から聖遺物を奪うって」

今、フィーネの覚醒は不完全な状態だ。だが、力を使えば使うほどフィーネの魂はマリアを侵食し、やがてはマリアの自我を塗り潰してしまう……というのが、ナスターシャ教授から聞かされたマリアの現状だ。

マリアが無理をすればする程、彼女が彼女でいられなくなる時間が迫って来る。
切歌と調にとって、それは耐え難い言葉だった。

無論、マリアを誰よりも案じているツェルトにとっても……。

「何がなんでも手にして戻らないと……デスね」
「うん。ちょうど装者達の学校は学園祭だから、一般人が紛れ込んでも大丈夫。絶好のチャンス」
「よぉ……し、やるデスよーッ!」

切歌が気合いと共に伸びをした、その時だった。

「……きゃあああッ!?」
「うわぁぁ、ノイズだーッ!!」

街ゆく人々の悲鳴が轟く。

そう。今なお、バビロニアの宝物庫は開け放たれたまま。
ソロモンの杖の有無に関係なく、自然とノイズは溢れ出てくるのだ。

「ッ!?」
「調、行ってみるデスッ!」

二人は顔を見合わせて頷き合うと、悲鳴の方向へと走り抜けて行った。

ff

「嫌ぁぁぁーッ!」
「ノイズだーッ! うわぁぁぁ!」

ノイズ襲来により、逃げ惑う人々。

登校中だった学生。通勤
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