第12節「昇る朝日が求めているのは」
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転調ッ!」
純がRN式を纏い、転がる杖へと手を伸ばす。
「ふんもっふッ!」
「あぁッ……!」
しかし、それより早くツェルトのワイヤーが、ソロモンの杖を釣り上げる。
そこへ接近してきた調は目の前にいた純へと、ヘッドギアの左右のホルダーからアーム付きの巨大な2枚の回転鋸を展開し、無防備な純を斬り裂いた。
「邪魔……ッ!」
〈γ式・卍火車〉
「ぐわああああッ!」
「ジュンくんッ!」
純の身体は宙を舞い、クリスの目の前まで転がった。
「時間ピッタリの帰還です。お陰で助かりました。むしろ、こちらが少し遊び足りないくらいです」
ウェル博士の周囲に、フィーネの装者達が集まり、ツェルトがウェル博士にかけられた手錠を破壊する。
「助けたのは、あなたのためじゃない」
「や、これは手厳しい」
調からのドライな返しに、ウェル博士はわざとらしく肩を竦める。
その態度に、ツェルトは溜め息を吐きながら、破壊した手錠を投げ捨てた。
「純、大丈夫かッ!?」
「なん、とか……」
「大丈夫ッ!? クリスちゃんッ!」
「くそったれ……。適合係数の低下で、身体がまともに動きやしねぇ……ッ!」
翔は純に、響はクリスに肩を貸し、立ち上がらせる。
「──でも、一体どこからッ!?」
「本部、どうなってるんですかッ!?」
『装者出現の瞬間まで、アウフヴァッヘン波形、その他シグナルの全てがジャミングされている模様ッ!』
「二課が保有していない異端技術……ッ!」
友里からの索敵結果に、翔は苦々しげに歯噛みした。
ff
翼は左膝を抑えながら、息を整える。
その一方でマリアもまた、翼に追い打ちを仕掛けられずにいた。
先程の打ち合い。押し勝ったのはマリアだったが、翼のアームドギアは僅かにマリアの横腹を斬り裂いていた。
切り傷の付いた部分をマントで隠しながら、マリアは眼前の翼を見据え続ける。
(こちらの攻撃に合わせてくるなんて、この剣──可愛くないッ!)
翼はというと、手を握り、開きを繰り返していた。
ギアの動作が、先程に比べて軽くなって来ているのを感じていた。
(……少しずつだが、ギアの出力が戻って来ている……いけるか?)
「はぁ……はぁ……」
(ギアが重い……ッ!)
睨み合う両者。両者共に傷を負っており、おそらく、先に動いた方が不利となるだろう。
平行線を辿る睨み合いを終わらせたのは、ナスターシャ教授からの通信だった。
『適合係数が低下しています。ネフィリムはもう回収済みです。戻りなさい』
「──ッ! 時限式では、ここまでなのッ!?」
「──ッ!? 時限式……?」
マリアが口走った言葉は、翼にその答えを連
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