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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百三十五話 邂逅。そして話合い。
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のない所作だった。身体だけは斜めに二人に向けていた。
 これには二人とも驚いたらしいが、それを言葉にして出すことはしなかった。

「あらためて、名乗らせてもらうわね、私はアレーナ・フォン・ランディール侯爵夫人。ついでに言うと前世の名前と爵位も同じ。もっとついでに言えばあなたたちと同じ転生者――」
「知っています。私たちがラインハルトを殺したこと、それをしったヴァルハラの神々が時間軸を巻き戻したことも、全部知っています。到底信じられない話ですけれど」
「ほう?」

 アレーナはカロリーネ皇女殿下の顔を見た。一瞬皇女殿下がちらっとコーデリアの方を見るのを見逃さなかった。

(なるほど、コーデリア殿下が教えたのか。まぁいいわ)

「知っているのなら話は早いわ。では、もう一つ教えてあげるけれど、ブラウンシュヴァイクとリッテンハイムをたきつけて、あなたたちを追い落としたのはこの私よ」
『?!』

 瞬間、アレーナは眼を細めた。さすがにそれまでは知らなかったと見え、二人の顔には驚愕が、そして次第に怒りの色が浮かび上がってきた。

「あなたが!?あなたがやったんですか!?」
「そういうこと」
「そのせいで・・・どんなに私たちが苦労したと思っているの!?」
「かわいい子には苦労させよなんて昔の人は言ったじゃない」
「茶化さないで!!!」

 ダン!!と拳をテーブルに打ち当てたのはカロリーネ皇女殿下だった。

「私も、アルフレートも、自由惑星同盟に亡命してものすごく肩身の狭い思いをしていたのよ。味方は少数の侍女たちやファーレンハイト、シュタインメッツだけだった・・・もし、ヤン提督やウィトゲンシュティン中将、シンフォニー中将が助けて下さらなかったら、私たちは死んでいたかもしれない!!」
「なら、万々歳ね、私たちはもとよりそのつもりでいたもの」
「なっ!?」
「言っておきますけれど、私たちは遊びでここに来たんじゃないのよ。既にあなたたちによってラインハルトが一度殺されているんだもの、こっちもそれなりの対応はさせてもらったわ。場合によってはあなたたちを殺すことも考えていた。その方針は今も変わっていないわ」
「あなたは一体何様のつもりなの!?どうしてそんなにでかい口が叩ける――」

 電光一閃、アレーナの抜き放った剣のもとテーブルが二人の間で綺麗に両断されたのみならず、衝撃波が飛んで壁にまで大きな亀裂が入っていた。彼女はいつの間にか位置を変えてその剣先を二人に向けていた。

「私がその気になればこの要塞が浮かんでいる宙域ごとアンタたちを塵クズに変えることだってできるわけ。何様だろうが、俺様だろうが、関係ないわ。あなたたちが立ちふさがるなら、この場で即刻殺すつもりよ。マジで。ただそれだけよ」
『・・・・・・・』

 
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