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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第11節「フィーネの再誕」
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! てやぁッ!」

再び射出された大量の丸鋸を、響は素早く叩き落とし、その両手で打ち砕いていく。

すると、遠距離では仕留めきれないと悟った調は、跳躍して一回転。

脚部・頭部から体の周囲に円形のブレードを縦向きに展開する。
SF作品によく登場する一輪バイクを乗りこなすかのようにブレードを回転させ、調は響の方へと突撃した。

〈非常Σ式・禁月輪〉

「うわぁッ!?」

慌てて横へ走り、飛び退いて回避した響の背後で、桟橋の防波堤が砕け散った。

「純ッ! ウェル博士を抑えろッ!」
「させるかよッ!」

一瞬で飛び退く翔。その足元に、数本のコンバットナイフが突き刺さる。

「また会えたな、ファルコンボーイ!」
「ジョセフ・ツェルトコーンッ!」

降り立ったツェルトの両手指の間には、コンバットナイフ型のアームドギアがそれぞれ三本ずつ握られていた。

「ウルヴァリンにでもなったつもりか?」
「さあ、どうかな? 利用出来るものはなんでも利用しなくっちゃだろッ!」

ツェルトが投擲するナイフを、翔は躱し、叩き落として接近する。

一方ツェルトも、新たなナイフを握り応戦する。

翔の繰り出す拳をいなし、逆手に持ったナイフを振るう。

対する翔もまた、構えを拳から手刀に切り替えると、腕アーマーに備え付けられたブレードを使ってナイフに対抗する。

数合の打ち合いの後、二人は距離を取った。

「どうしたファルコンボーイ? 俺を擬きだと罵った時の威勢はどこ行ったんだ?」
「安い挑発だ。だが、今ので分かった。お前のギアには弱点がある……違うか?」
「──何を根拠に?」

一瞬の沈黙。翔はそれを動揺と受け取った。

「聖遺物と適合者には、相性が存在する。確認してるだけでも、その義手に使われている聖遺物は三種類。その全てに適合しているわけではないんだろ?」

ライブ会場での一件の後、翔はツェルトModel-GEEDについて探るべく、シンフォギアに関する資料を漁っていたのだ。

その中で見つけたのは、装者とギアの相性について。
基本的に一人の人間が適合出来るギアは一つであり、また、装者は自らと適合した聖遺物以外のギアを纏えない。

ツェルトのRN式はアームドギアこそ切り替えられていたものの、プロテクターの形状に変化は見受けられなかった。

アームドギアの形成のみに特化させる事で複数の聖遺物を使用する事に成功していると仮定すれば、自ずと弱点も見えてくるものだ。

「そのプロテクター、バリアコーティングで覆っているだけで、実は防御が弱いんじゃないか?」
「だったらどうする?」
「不可避の一撃にて、押し通すッ!」

翔は跳躍し、両腕の刃にエネルギーを集中させる。

〈斬月光
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