第11節「フィーネの再誕」
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着地した翼は、アームドギアを刀に戻し、体制を立て直す。
その間にマリアは、その手に握り続けていたネフィリムのケージを頭上へと放り投げる。
ケージは一瞬にして、空へと溶けるように消失する。
(消えたッ!? 何処へ!?)
両手が自由になったマリアは、石突から飛び降りると、空中で一回転して甲板へと降り立つ。
天へと掲げた手に、アームドギアは引き寄せられるように収まる。
翼と向かい合ったマリアのギアからは、既に歌が流れ始めていた。
『Kort el fes Gungnir. Kort el fes Gungnir.』
「だからこそ、私は全力で戦っているッ!」
アームドギアを握ったマリアは跳躍し、翼へと飛びかかる。
「くッ!」
「はああッ!」
翼が刀を構え、防御姿勢を取る。
体重に落下時の勢いが乗った一撃は、翼を後方へと吹き飛ばす。
空中で体制を立て直し、華麗に着地する翼。
片手で槍をブンブンと振り回すマリアへと、翼は刀を構え、再度接近する。
「この胸に宿った 信念の火は──」
歌と共に、伸縮したマリアのマントが巨大な刃となって翼へと襲いかかる。
跳躍し、空中で回転しながら進み続ける翼。
マントは火花と共に、甲板の表面へと切り傷を刻む。
マントからの迎撃を防ぐべく、蛇行しながら翼は進み、マリアの懐へと飛び込もうとするが、振り下ろした刃をまたしてもマントに弾かれてしまう。
逆に振るわれた槍を防ぐと、今度は槍を頭上に掲げたマリアを中心に、マントが竜巻のように渦巻いた。
「はあぁぁぁッ!」
周囲をマントで覆っても、必然的に頭上はがら空きだ。
翼はマリアの頭上を狙って跳躍し、台風の目のように穴となっている中心部へと狙い定める。
「やああああああッ!」
しかし、マリアはそれを見越しており、翼が刀を突き立てる瞬間、中心部からアームドギアを突き上げた。
直撃を防ぐも弾かれた翼は、甲板着いた片腕を軸に回転しながら着地する。
「闇に惑う夜には──」
竜巻状態を解かれ、マントが再び刃となって翼を狙う。
バク転を繰り返して回避するも、マントは傷こそ浅いものの、船体を確実に傷付けていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
(くッ……。あの厄介なマントに加えて、適合係数を下げられているせいか……こちらからは一撃も入らぬとは……ッ!)
展開していたマントを縮小し、元のサイズへと戻すマリア。
翼は息を荒らげながらも、戦場で笑みさえ浮かべてみせるマリアを、毅然と睨み付けていた。
ff
一方、本部内ではランプが赤く点滅し、警報が鳴っていた。
「敵装者からの攻撃、本部被弾ッ!」
「被害状況、出ましたッ!」
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