第二章
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「今風邪が流行ってるだろ」
「インフルエンザですね」
「それか」
「子供が罹ったら危ないですね」
「娘さんすぐに病院に担ぎ込まれたんだな」
「はい」
そうだとだ、彼は監督に答えた。
「女房が言うには」
「今日は今から有給にしろ」
監督は彼に告げた。
「いいな」
「有給ですか」
「ああ、だからすぐに病院行って来い」
自分の娘が担ぎ込まれたそちらにというのだ。
「いいな」
「それで、ですね」
「付き添え、親はこうした時は子供の傍にいるもんだ」
「だからですね」
「ああ、すぐにだ」
まさにというのだ。
「行け、いいな」
「わかりました」
監督の言葉にすぐに頷いてだった、父は作業服から私服に着替えるとすぐに上の娘が担ぎ込まれた病院に向かった。そしてだった。
すぐに行くとだ、妻がいて夫に話した。
「お医者さんのお話だとね」
「ああ、どうなんだ?」
「インフルエンザらしいのよ」
「やっぱりそうか」
監督が言った通りだとだ、夫は眉を顰めさせて言った。
「何かと思ったら」
「幼稚園で急に熱が出てね」
「連絡を受けてか」
「いえ、違うの」
妻は夫の問いに怪訝な顔で答えた。
「それが」
「違う?」
「そうなの、マメがね」
家で飼っている犬、二人からしてみれば長女である彼女がというのだ。
「家事をしていたら私に鳴いてきて」
「綾香が家にいる時みたいにか」
「そう、それでマメが幼稚園に向かって駆けだしたから」
「それでか」
「マメにリードを何とか付けて」
そしてというのだ。
「幼稚園にまで連れて行ってもらったの」
「行ったんじゃなくてか」
「そっちだったわ」
言うならばというのだ。
「本当にね、それで幼稚園に行ったら」
「その時にか」
「今連絡しようと思っていたって言われたのよ」
「そうだったか」
「それですぐに病院に入れてもらったの」
「暫くは入院か」
「凄い熱らしいけれど」
それでもと言うのだった。
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